◆委員(井上ノエミ君)
まず、144ページのGTS観光アートプロジェクトについてお伺いします。
このプロジェクトは、東京藝術大学と台東区との協働プロジェクトです。アートをまちの中で展示して地域全体をミュージアムにするようです。また、多摩市ではNPOアート多摩が市民に参加してもらい、市内の公園を利用して市民と一緒にアートを制作する活動をしています。これは観光のためではありません。しかし、自治体のアートプロジェクトでは、アートを展示するだけではなく、市民が積極的にアートの制作にも参加することが大事だと思います。そうすることによって市民がアートを身近に感じ、楽しめると思います。区民の税金を使って行うのですから、区民のためのアートプロジェクトも大事だと思います。
このプロジェクトは、今年が最後の年です。これですべてやめてしまうのでは大変もったいないと思います。東京藝術大学との関係もできています。今回は大学に協力して、墨田区からたくさんお金を出しています。今後は東京藝術大学に協力してもらい、区民を巻き込んで区民と協働のアートプロジェクトを実施してもらいたいと思います。もちろん、なるべくお金を使わないように、大学の先生や学生の方は授業としてやってもらうべきです。
そこで、質問しますが、このプロジェクトの予算は3年間で幾らでしょうか、お伺いします。
◎観光課長(郡司剛英君)
GTSでは、今さまざまな連携事業を展開していますが、区で予算を計上している部分につきましては、環境アート作品の作製及び設置に掛かる経費でございます。その他のアートベンチの設置あるいはアートプロジェクトにつきましては、藝大の予算で賄っているところでございます。したがいまして、プロジェクト3年間の区の予算総額といたしましては5,600万円でございます。
◆委員(井上ノエミ君)
高いですね。
私は、このプロジェクトの一つである「シタマチBase(ベース)」を見に行きました。隅田公園のそばの東武鉄道の高架下をギャラリーにしたものです。私は、そこでファッションショーのビデオを見ました。しかし、私以外にはだれもいませんでした。イベントの情報も余り宣伝されていないようです。ホームページもありますが、詳しいイベント情報はありません。全体的に情報の発信が不足していると思います。区民の関心も少ないと思います。
区民の関心についてアンケートなどをとる必要があると思います。このアンケートも何百万円も予算を使ってやる必要はありません。区役所に来る区民100人にこのGTSプロジェクトを知っているか、見たことがあるか、好きなアートは何か、イベントに参加したかなどを聞くことです。1人5分で終わります。観光課の職員を動員して行えば、2日でできます。それでも十分区民の反応は分かります。
そこで、質問します。これまでGTSプロジェクトについての区民のアンケートなどをとっていなければ、是非プロジェクトの終了後にやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎観光課長(郡司剛英君)
GTSの情報発信についてでございます。
藝大でもGTSのホームページを持っています。区のホームページからも観光情報のリンクが張ってありまして、そこからGTSのホームページに飛べるような形になっています。ただ、若干内容が大くくりでございまして、そういった意味では詳細まで紹介されていないのはご指摘のとおりでございます。
これらの情報を補完して、そして周知するという目的で藝大ではリーフレットを作成しています。このリーフレットの作成が、実はプロジェクトが始まる数日前になってしまうことが往々にございます。そのため、私どもも周知に努めてはおりますが、十分周知されていないというのが実情でございます。例えば、今回のプロジェクトにつきましては、区内49施設にチラシと、それからリーフレットを合わせまして合計4,200枚を配布しましたが、それでもなかなか周知が行き届いていないというのが実情でございます。今後マスメディア等をうまく活用いたしまして、全体の周知の方法を検討してまいりたいと考えています。
次に、アンケートについてですが、実はGTSとしてアンケートを実施したことはございません。ただ、個別のプロジェクト、例えばマケット・プランニング展等、個別のイベントではアンケートをやっています。ご指摘のとおり、今年度GTSの最終年度を迎えますので、連携する藝大並びに台東区とも協議をいたしまして、何らかの形でこの効果検証を行っていければと考えているところでございます。
◆委員(井上ノエミ君)
もっと多くの区民にこのプロジェクトに参加してもらいたいと思います。また、なるべく多くの子どもたちにも参加してもらいたいと思います。子どもたちがアートに触れることはとても大事です。小学校、中学校と連携して、多くの子どもたちにアート制作などに参加してもらうべきです。教育委員会も協力するべきです。
このプロジェクトでは、墨田区の小学校、中学校の子どもたちが参加してスカイツリーの写生大会も行っています。そこで、墨田区から何人の子どもたちがこのイベントに参加したのかお伺いします。
◎観光課長(郡司剛英君)
「東京スカイツリーを描く絵画展」のワークショップも行っているところでございます。教育委員会のご協力も得まして、区内の小・中学校にポスター、チラシ等を配布いたしまして、毎年300人以上もの応募があるという人気のイベントでございます。一昨日も藝大で優秀作品の表彰式がございましたけれども、自分の作品が藝大に展示される喜びにあふれている表情が印象的でございました。指導教員の関係から、抽せんで毎年各50名ずつの参加になってございますので、3年間でこの絵画展につきましては150名程度でございます。
これ以外にも地域でのワークショップを行っています。例えば10月21日に小梅児童遊園で行いましたワークショップにつきましては、60名以上の地元の小・中学生にも参加をいただいております。そういった意味では小・中学生の参加あるいは周知も図られているのかなと考えています。
◆委員(井上ノエミ君)
次に、おしなり橋にチョコレートを貼り付けるプロジェクトについてお伺いします。
三木みどりさんという学生が大変ユニークなデザインを考えているようです。このプロジェクトが中止になると聞きました。今はどうなっていますか、お伺いします。
◎観光課長(郡司剛英君)
まず最初に、このプロジェクトは中止ではなくて実施される予定でございます。
事の経緯を申し上げますと、まず板チョコレートの形を模した作品を展示するものでございまして、おしなり橋ではなく、おしなり公園西詰めの部分でございます。
チョコレートの形を模した作品ですが、樹脂でできていまして、そこには実はある企業名が書いてございました。一企業名のブランドを宣伝することになりかねないということで協議をしてまいりましたが、その部分にマスキングをするということで作品の展示あるいはPR自体は可能となったところでございます。11月10日及び11日の両日にかけて展示される予定でございます。
◆委員(井上ノエミ君)
このプロジェクトでは、いろいろなイベントをやっています。それぞれのイベントに参加した人数は分かっていますか。
◎観光課長(郡司剛英君)
平成23年度及び24年度でございますが、今申し上げましたとおり「東京スカイツリーを描く絵画展」のワークショップにつきましては、23年度は54名、24年度は42名で、その他マケット・プランニング展あるいはGTSアワードという形で、さまざまなアートプロジェクトが行われているところです。また、「記憶の森の映画祭」あるいは庁舎内でもつい先般行われました音楽コンサート等もございます。これら各年ごとに大体五つぐらいのプロジェクトで合計1,562名の方が参加されています。
◆委員(井上ノエミ君)
次に、137ページの小さな博物館運動の推進についてお伺いします。
私は、墨田区の小さな博物館が大変好きです。外国から来たお客様のためのお土産や、海外に行くときには向島一丁目にある屏風博物館に行って、小さなびょうぶを買います。外国の方は大変喜びます。小さな博物館の中には屏風博物館のように外国人が大変関心を持つ博物館があります。そのような博物館には是非英語などの外国語の説明もつけていただきたいと思います。国際都市になるためには必要です。また、観光客に対する宣伝にも力を入れるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
◎産業経済課長(鹿島田和宏君)
3M運動の小さな博物館につきましては、来館者が微増の傾向にございます。ただ、残念ながら、ご指摘のございました外国語対応については、十分ではございません。
といいますのも、3M運動の小さな博物館の魅力といいますのは、その館長さんとのコミュニケーション、そこのやりとりの中でものづくりのすぐれた部分について触れていただくということが主眼となっていると考えています。そういった中で、小さな博物館すべてにおいて館長さん方が外国人の方に対応できているということではございませんので、その部分について今後考えていかなければいけないのではないかと思っております。
つきましては、常時対応は難しいと考えていますが、例えば観光協会との連携若しくは地域の方々で外国人向けのツアーをやっている方もいますので、そこと連携したような形のツアー等を企画する中で対応させていただくことを、現時点では考えています。
なお、今ご指摘いただきました件につきましては、3M運動PR実行委員会を設けていますので、その方々に今回提案があったことにつきましてはお伝えして、検討をお願いしたいと思います。
◆委員(井上ノエミ君)
次に、154ページの公園についてお伺いします。
スカイツリーがオープンしてから墨田区内を歩いて観光する人も多くなりました。まち歩きで困るのはトイレですが、これはかなり整備されてきています。あとは休憩する場所が必要です。ニューヨークにあるセントラルパークの中には、アイスクリームやコーヒーなどを販売する小さなお店があって、テーブルといすがあり、休憩できます。親水公園もかなり整備されましたが、あの公園の中に小さな移動式のお店を開いてもらい、テーブルやいすも置いてもらうのはどうでしょうか。区の予算もかからないで、観光客や区民のためになると思います。また、デザインのよい店であれば、公園の雰囲気もよくなると思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(福田はるみ君)
郡司観光課長、答弁は簡潔にお願いいたします。
◎観光課長(郡司剛英君)
はい。今ご指摘がございましたまち歩きのルート上の休憩スポットでございますが、こちらにつきましては、先に産業観光部長のほうからも答弁したとおり、まず地域に魅力的な個店があれば、そこがまち歩きスポットになる可能性が大いにございます。そういった意味では、地域の魅力ある個店を多くつくり出していくことが、まちのお休みどころになり、かつまち歩きを推進する上での武器になると考えています。そういった支援を観光課としてはしていきたいと考えております。
○委員長(福田はるみ君)
以上でみんなの党の質疑を終了いたします。