10月31日 決算特別委員会

◆委員(井上ノエミ君) 
 まず、執行実績報告書145ページの「産業観光プラザ すみだ まち処」の管理運営費についてお伺いします。
 ソラマチにある「すみだ まち処」に年間約1億6,000万円もかかっています。この問題は予算特別委員会でも取り上げられましたが、大変重要な問題だと思いますので、ここでもお伺いしたいと思います。
 「すみだ まち処」には、私も何回か行きましたが、予算特別委員会の答弁と異なって、あまり人も来ていない印象を受けました。あそこに約1億6,000万円もつぎ込んでいるのは、果たしてそれだけの価値があるのでしょうか。今の半分のスペースで、半分の予算でも十分できると思います。
 そこでお伺いしますが、「すみだ まち処」の家賃は年間幾らでしょうか。また、人件費は年間幾らかかっているのでしょうか。また、年間の売上げは幾らか、お伺いします。
◎産業観光部参事(中山誠君) 
 まず、賃料でございます。平成25年度には年額で4,900万円余の賃料、及び1,200万円余の共益費を支出いたしました。これは、平成24年4月に東武鉄道と締結した借地借家法に規定する定期店舗区画賃貸借契約に基づき支出したものでございます。
 次に、人件費でございます。区から管理運営を受託されております墨田区観光協会が、平成25年度に支出した人件費は1億1,000万円余でございます。まち処の職員につきましては、その業務は区からの委託事業としての、すみだの産業、観光に関する情報発信、PR、それと観光協会の自主事業としてのすみだの産品等の即売、この二つの側面がございます。区は、管理運営業務委託契約に基づきまして、人件費の2分の1相当額、及び委託業務に必要な額の合計額といたしまして、平成25年度は8,900万円余を観光協会に対して委託料として支出いたしました。
 次に、観光協会の自主事業としての即売に係る取扱額、売上げでございます。平成25年度は約2億6,000万円でございます。
 なお、まち処はスカイツリータウンを訪れる多くの観光客の皆様に対しまして、すみだの産業、文化、歴史、観光等の魅力を堪能していただいて、区内回遊を促進する、そういう位置付けでございます。観光客の消費行動は、まち処の中だけで完結するものではなく、地域全体の活性化を図る、そういった施設でございますので、どうぞご理解をお願いいたします。

◆委員(井上ノエミ君) 
 お客さんがたくさん来るなら、独立採算でやるようにすれば墨田区の負担は減ると思います。例えば製品を販売するスペースを増やして、製品の数も増やして、売上げを伸ばすことを考えてはどうでしょうか。ほかのテナントは独立採算でやっているわけです。もし十分な売上げがなければ、テナントは撤退するわけです。まち処も、採算がとれなければ撤退することを検討すればよいと思います。
 観光は墨田区にとって大変重要です。しかし、予算は平成25年度の決算額で約4億1,600万円です。それほど多くありません。将来的には、もっと予算は必要です。しかし、今は墨田区の観光予算の約4割が「すみだ まち処」に消えています。まち処に約1億6,000万円つぎ込む代わりに、循環バスの予算約5,000万円を倍に増やして1億円にしてルートを2倍にしたほうが、区民の役に立つと思います。
 また、国際的に墨田区を宣伝するためには、大変お金がかかります。私は、現在の約1億6,000万円の管理費を減らしていく必要があると思います。墨田区は何か考えているのか、お伺いします。
◎産業観光部参事(中山誠君) 
 まず、売上げの増加についてお尋ねがございました。まち処は、ソラマチの1階から4階までの物販を主目的とするテナントとは異なりまして、売上げを上げることを目的とする施設ではありません。多くの観光客の皆さんに対して、すみだの産業、観光、文化、歴史、魅力を堪能していただいて区内各地を回遊していただく、そういった施設でございますので、どうぞご理解をお願いしたいと思います。
 ただし、当然、墨田区観光協会が自主事業として行っております即売につきまして、観光協会が創意工夫をして、その取扱額を増やしていく、そういったことは、観光協会の自立化のためにも重要なことでございます。区としては、観光協会と連携を密にいたしまして、協会の取組をさまざまな面から支援してまいりたいというふうに考えております。
 次に、管理費の削減についてでございます。まち処の約1億6,000万円の管理運営費のうち、先に述べましたとおり、賃料、共益費、それから管理運営委託料、これがほとんどを占めております。また、東武鉄道との間の当初の賃貸借期間は、平成34年5月31日までの10年間というふうになっております。当然のことながら、効果的、効率的な経費の執行には努めてまいるところでございますけれども、管理運営費を大幅に縮小することは難しいというふうに考えておりますので、この点についてもご理解をお願いしたいと思います。
 なお、区内循環バスの運行に係る予算約5,000万円を倍増してルートを2倍に増やすというご提案もございました。運行に係る収支不足額の実績等を勘案いたしまして、午前中の質疑にもございましたとおり、平成26年度は25年度と比較いたしまして、区内循環バスの運行経費に係る区の予算額を、およそ2,000万円程度増額させていただきました。したがいまして、5,000万円を倍増すれば、現在の2倍の本数のバスを運行できるというわけでも決してございませんので、この点についても、よろしくご理解をお願いしたいと思います。

◆委員(井上ノエミ君) 
 是非、検討してもらいたいと思います。
 墨田区では、いろいろなイベントをやっています。夏にやっている旧安田庭園の浴衣の夕べなどは、大変すばらしいイベントです。私は、個人的にすべての南米の大使に案内状を送りました。そして、大使の方数人に来ていただきましたが、大変楽しんでもらいました。また、隅田川花火大会も是非同様に大使の方を招待したいと思います。大使の方に花火を道路に座って見てもらうわけにいきません。是非、これらのイベントに墨田区としてご招待していただきたいと思います。墨田区のおもてなしを楽しんでいただいて、墨田区を宣伝してもらえると思います。
 本当は、アメリカのケネディ大使にも是非来ていただきたいと思います。もちろん、セキュリティの問題がありますので難しいと思います。一般の大使なら問題は少ないと思います。すべての大使を一度に招待することはできませんから、毎回10人ぐらいを招待すればよいと思います。墨田区を国際観光都市にするためにも是非検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎産業観光部参事(中山誠君) 
 ただいま井上委員からご紹介がございましたイベントは、ゆかたdeガイドツアーというものでございます。区では、外国人観光客を誘致するための事業の一環といたしまして、外国人の方に浴衣を着ていただいて、茶道、俳句などの日本文化、国技館のバックヤードツアー、隅田川の舟運、盆踊り大会、そういったものを体験していただくイベントでございます。地域のNPO法人、墨田区観光協会とともに、毎年開催しているものでございます。
 外国の大使を招待してはどうか、とのことでございます。現在も、墨田区内外の一般の外国人の方だけでなくて、若干名ではありますけれども、東京にあります外国の大使館の職員、それから外国のメディアの方などにも参加していただいて、大変好評をいただいているところでございます。
 ただいま、井上委員から、今後も10人程度の大使をご招待して日本文化を発信してはどうか、ということでございますけれども、私ども区も、10人程度を招待して日本文化を発信してまいりたいと考えております。井上委員におかれましても、さまざまな面でご協力いただけますと大変幸いでございますので、よろしくお願いいたします。
 なお、隅田川花火大会についてもご提案がございました。こちらは所管外のことでございますので、私からの答弁は控えさせていただきたいと思います。
◎企画経営室長(高野祐次君) 
 隅田川花火大会につきましては、東京都の生活文化局が毎年大使館の方々をまとめてご招待していただいて、小梅小学校の屋上で花火をご覧いただいておりますので、今あったお話についても私のほうから生活文化局のほうに伝えたいと思います。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、総務費の質疑のときに時間がなくて質問できませんでした洪水対策について、都市整備に関連しますので、ここでお伺いします。
 東京では今月大変な豪雨がありました。東京の今月の降水量は400ミリメートルを超えると思います。また、昨年の10月も台風が何度も来ました。そのため、降水量は440ミリメートルでした。気象庁は1875年から降水量のデータをとっています。昨年の10月の降水量は140年間で7番目に多い降水量でした。戦後では3番目です。荒川の洪水は墨田区にとって大変危険な災害です。3日間で548ミリメートルの雨量で荒川は洪水を起こしますから、その危険性は十分あると思います。
 洪水対策については、昨年、水防法が一部改正をされて洪水対策が強化されています。この水防法の改正について、墨田区はどのように対処していますか。
◎都市整備課長(齋藤雄吉君) 
 ご指摘のとおり、改正水防法によりまして、河川管理者や自衛消防組織、水防協力団体の参画によります水防体制の一層の充実がうたわれているところでございます。全国各地で豪雨災害が多発しておりますので、防災部局とも連携しながら、水防計画とか地域防災計画等、改正趣旨にのっとった対応を心掛けてまいりたいと存じます。

◆委員(井上ノエミ君) 
 是非、よろしくお願いします。
 次に、オフィスビルの共同住宅への転用、コンバージョンについてお伺いします。
 最近は墨田区でもオフィスビルに空きが増えているように思います。千代田区では、政策的にオフィスビルの住宅への転用を進めています。墨田区でもこれから住宅に転用するオフィスビルも出てくると思いますが、事務所から住宅への転用について、墨田区はどのような方針でいくのかお伺いします。
◎住宅課長(久井隆司君) 
 原則といたしましては、特定個人の資産形成につながる補助については限定的に認められるものであるべきだというふうに思っております。お答えから申しますと、ご質問の件については限定的に認められるものではないのではないかというふうに思っております。理由といたしましては、例えば、現在の住宅マスタープランに掲げる住宅セーフティネットの推進だとか、良質な住宅ストックの形成に寄与するものについては、限定的に認められるものだと思います。ただ、千代田区で推進しているこの事業については、定住促進を目的に実施している事業であることから、限定的に認められるものではないというふうに感じております。とはいえ、井上委員のご指摘にあったように、区内におけるオフィスビルから住宅への転用が、どのような状態にあるか、今後、動向を見据えていきたいというふうに考えております。

◆委員(井上ノエミ君) 
 先日、区民の方から、マンションの住民が駐輪していて道路がふさがれて困るという相談がありました。このマンションは、もともとはオフィスビルであったのが住宅に転用されたようです。したがって、十分な数の駐輪場がないために道路に駐輪しています。恐らくは無許可で住宅に転用していると思いますが、何か対策はありますか。
◎建築指導課長(串原昭夫君) 
 事務所から共同住宅へ用途変更をする場合には、共同住宅の用途が100平方メートルを超えるものについては、建築基準法の規定に基づき建築確認の用途変更の手続が必要となります。したがって、このような建物の相談があれば、用途変更の手続をとるように指導しております。
 なお、用途変更の手続を行っていないものは、違反処理として建物を調査し、指導しております。