11月01日 決算特別委員会

◆委員(井上ノエミ君) 
 まず、予算の執行実績報告書の74ページの社会福祉費の22、福祉サービス第三者評価推進事業費についてお伺いします。
 この第三者評価では、16の保育園、19の高齢者福祉施設などの評価を実施しています。そして、1,318万円の予算を使っています。この第三者評価は、保育所や介護施設を選ぶときに区民が見て、「保育所はここがいいね」とか、「介護施設はここがいいね」と決めるために大変役に立つべきです。
 ただ、この評価制度がおかしいのは、評価を受ける施設がその料金を支払うことです。自分でお金を払って、自分の評価を受けるわけです。
 そこで、区のほうで施設に補助金を出して、この評価を受けてもらっているわけです。今回の評価では、区立の保育園が11園も評価されているのに、民間の保育園は5カ所しか評価を受けていません。区民は、どこの民間の保育園がよいか知りたいと思っています。民間の保育園を評価して比べられるようにしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。お伺いします。

 

 

◎厚生課長(三浦博司君) 
 福祉サービス第三者評価につきましては、社会福祉法第78条において、社会福祉事業の経営者は、自らが、その提供する福祉サービスの質の評価を講じることにより、常に良質かつ適切な福祉サービスを提供するよう努めなければならないと位置付けられております。
 したがいまして、民間事業者に対しましては、この制度の普及を図るとともに、側面的な支援としまして、積極的な受審を促進するために費用助成を行っているところでございます。
 なお、民間の認証保育所などにつきましては、昨年度から子ども課へ所管替えとなっております。

 

 

◎子ども課長(杉崎和洋君) 
 保育園の第三者評価につきましては、国のほうでは公定価格の中で5年に一度の受審を促しておりますけれども、東京都の考え方としましては、少なくとも3年に一度のペースで受審することとしております。
 昨年度、区立園はご指摘のとおり11カ所が受審しておりまして、これ以外に認証保育所が10カ所中5カ所で受審したほか、私立保育園は29カ所中8カ所で受審したところでございます。
 なお、社会福祉法人が運営主体の私立保育園につきましては、直接東京都で補助を行っておりますので、区の補助はございません。
 ご指摘のとおり、区民が保育施設を選択する際の材料となり得ますし、事業者側も普段気付かない点を認識できるなど、意義のあるものでございまして、評価結果につきましては、「とうきょう福祉ナビゲーション」というホームページで見ることができます。
 所管としましては、今後も定期的な受審を促してまいりたいと思います。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、保育園の評価項目についてお伺いします。
 今回、亀沢保育園が指定管理に移行するということで、お母さんたちが大変心配しています。
 特に、経験がある保育士がいなくなると心配しています。保育士の情報はお母さんたちが最も知りたい点です。また、決められた数の保育士が、本当にいるかも大事な点です。
 今回の評価には、これらの点は評価項目になっているのでしょうか。お伺いします。
 また、墨田区で独自の評価項目を追加できると思います。お母さんたちが最も知りたい点を評価項目に追加することを検討してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。お伺いします。

 

 

◎厚生課長(三浦博司君) 
 この福祉サービスの第三者評価制度につきましては、東京都福祉サービス評価推進機構が認証しました公正中立な評価機関が、東京都共通の評価手順、そして評価項目により評価して、その結果をとうきょう福祉ナビゲーションというもので公表しております。
 それを、利用者が比較検討するというシステムになっております。そのため、区独自の評価項目を加えるということは困難な状況でございますので、是非、ご理解いただければと思います。
 なお、保育士等の情報でございますけれども、評価項目としましては、「業務の一定水準を確保をしている」という項目の中に含まれております。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 墨田区のホームページの地域福祉のページでは、この第三者評価については簡単に外部サイトを参照してくださいとしかありません。区民にとって、この第三者評価があまり参考にならないから、このように書いてあるのだと思います。
 ただ、区民の税金を使っているのですから、この第三者評価を役に立つものにしていただきたいと思います。特に、介護の分野では、訪問介護とデイサービスの事業者が大変多いです。利用者は、事業者の情報が多ければ、ほかの事業者と比べられますから、大変便利です。訪問介護とデイサービス事業者についても、この第三者評価をどんどん実施したほうがよいと思いますが、どのように考えますか。お伺いします。
 また、保育園と同様に、墨田区独自の評価項目を追加してはいかがでしょうか。お伺いします。

 

 

◎厚生課長(三浦博司君) 
 行政で実施しております指導検査というものがあるんですけれども、それは、法令が定める最低基準を満たしているか否かを確認するというものに対し、この第三者評価につきましては、現状の福祉サービスをよりよいものに誘導して、福祉サービスの質的向上を意図するというものでございます。
 事業者の質の競い合いを促進させるという一面も持っております。そのため、福祉サービスの第三者評価制度は、そもそも行政機関が関与しないという制度でございまして、それもご理解のほど、よろしくお願いします。
 なお、介護分野におきましても、積極的な受審を促してまいります。
 また、介護分野での評価項目の追加でございますけれども、先ほどの保育分野と同様に、東京都共通の評価手順項目となっておりますので、困難という状況でございます。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、この第三者評価の内容についてお伺いします。
 私も幾つかの評価を見ました。はっきり言って、あまり役に立たないと思いました。評価が大変甘くて、どの施設も立派に見えます。恐らく実態はかなり違うと思います。もう少し実態を正確に評価してもらいたいと思います。
 そして、この第三者評価が本当に区民にとって役に立つ情報を提供できるようにしていただきたいと思います。
 介護と子育てのそれぞれの担当にお伺いします。

 

 

◎厚生課長(三浦博司君) 
 先ほども申し上げましたけれども、東京都共通の評価手順・項目により評価して、その結果をとうきょう福祉ナビゲーションで公表して、利用者がそれを比較検討するというシステムになっておりますので、利用者本位のサービスとしまして、必要な評価はされていると認識しております。

 

 

◎介護保険課長(栗林行雄君) 
 介護の担当から見解を聞かれておりますので、私からお答えいたします。
 福祉サービス第三者評価は、第三者である評価機関が専門的かつ客観的な立場から福祉施設のサービスの内容とか質などについて評価します。
 また、併せて事業者の経営や組織のマネジメントにおいても評価しているものと認識をしております。
 したがいまして、高齢者が介護サービスを利用する際には、福祉サービス第三者評価をご覧になることにより、事業者の特徴とか利用者の声などを参考にして、施設選びをしていただきたいと思っております。

 

 

◎子ども課長(杉崎和洋君) 
 先ほど三浦課長からもありましたが、審査は東京都の認証を受けた機関が行っておりまして、私も毎年評価説明を受けております。
 決して事業者寄りに評価されているものではございませんので、適正に評価がなされているものと思っております。
 また、窓口におきましても、こうした評価結果を参考としているという声も、実際、区民から頂戴しているところでございます。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、78ページの老人クラブ運営助成事業費についてお伺いします。
 この事業では5,100万円を使っています。墨田区内には152クラブもありますが、クラブのメンバーの数は全部で何人ですか。お伺いします。
 また、このような高齢者の組織があることは、墨田区にとって宝だと思います。特に、今、墨田区は介護予防事業に力を入れています。老人クラブと介護予防事業との連携はどうなっていますか。お伺いします。
 昨日、質問した地域の集会所で老人クラブのメンバーのために体操教室などをどんどん実施してもらいたいと思います。老人クラブの活動の活性化についても、何かアイデアがあるのかお伺いします。

 

 

◎高齢者福祉課長(福田純子君) 
 高齢者福祉課からは、1番目の老人クラブの会員のメンバー、数と、それから3番目の活動の活性化についてお答えします。
 現在、墨田区の老人クラブ152クラブの中で、加入率は23区中1位でございます。会員数は平成27年度末で1万3,181人となっております。
 老人クラブの活動の活性化なんですが、老人クラブの皆さんはとてもお元気で、現在も活動の一つとして、ひとり暮らしや高齢者世帯への見守りや情報を届ける友愛訪問活動を実施しています。平成27年度は1,261人の会員の皆さんが、2,435人の高齢者を訪問し、孤立防止などに尽力されています。
 区としましては、このような強力な組織力を生かして、地域包括ケアシステムの担い手として、傾聴活動などを中心とした地域の見守りネットワークづくりの一翼を担っていただけるように呼びかけてまいりたいと考えます。

 

 

◎福祉保健部副参事(梅原和恵君) 
 老人クラブの組織と介護予防事業との連携についてお答えいたします。
 老人クラブと介護予防事業との連携ですが、老人クラブの皆様に対して、介護予防普及啓発事業の周知を幅広く行っております。平成27年度は、全21事業行ったんですが、それぞれについて、全ての会員の皆様に、お手元にチラシが届くようにさせていただきました。
 その結果、多くの方の参加をいただき、事業を進めることができました。
 また、老人クラブの皆様が、地域で集まって活動を行うグループから要請がありましたら、介護予防サポーターを紹介して、活動を支援している実績もございます。
 さらに、昨年墨田区老人クラブ連合会の高齢者福祉大会においては、講演会講師に介護予防サポーターを起用するなど、連携を図っているところでございます。

 

 

◆委員(井上ノエミ君) 
 墨田区の介護予防サポーターは、大変すばらしいと思います。10月に開かれた公開講座に150人が参加したのはすごいと思います。介護予防についての区民の関心は大変高いと思います。これからも、たくさんのサポーターを養成して、介護予防の活動を区民に広げてもらいたいと思います。是非、このサポーター事業をどんどん拡大していただきたい。

 

 

○委員長(中沢えみり君) 
 以上で、新しいすみだの質疑を終了いたします。