10月25日 決算特別委員会

◆委員(井上ノエミ君) 

 平成28年度の各会計歳入歳出決算審査意見書についてお伺いします。
 意見書の8ページに、経常収支比率の説明があります。経常収支比率は、予算に占める人件費、扶助費、公債費などの経常経費の割合ですが、平成28年度は83.7%です。平成24年度は92%ですから、そのときと比べれば大幅に減っています。27年度は83.3%ですから、少し超えています。
 これについて、意見書の13ページに監査委員の意見があり、目標値の85%は達成しているが、適正水準と言われる70から80%にはなっていないという意見です。経常収支比率は、これが高いとほとんどの予算が固定経費に使われてしまいます。したがって、なるべく低くするべきです。23区の平均が79%なのに、なぜ墨田区の目標は85%なのか。私は、80%ぐらいを目標にして、行政改革を徹底的に進めるべきと思いますが、ご見解をお伺いします。
◎企画経営室長(関口芳正君) 
 経常収支比率が、ここ20年間で一番数値の高かったのは、平成11年度の99.6%でした。一方、一番低いときは、平成18年度で82.3%でした。この20年間で経常収支比率が85%以下だった年は7年ございます。この20年間の推移を見ますと、これを維持するにはかなり困難な課題もあることから、実効性のある目標数値として85%以下という数値を行財政改革の実施計画の中に定め、行政基盤の確立に力を入れていこうとしたものでございます。
 平成28年度決算におきまして、0.4%後退していることから、委員おっしゃるように、いま一層の行財政改革に努めていきたいと考えておりますので、よろしくご理解ください。
◆委員(井上ノエミ君) 
 目標を決めるときには、少し高い目標を掲げて、それに向かって努力するようにしたほうがいいと思います。
 次に、経常費についてですが、扶助費や公債費などを減らすことはできません。減らせるのは、人件費ぐらいしかありません。事業が遅れているから、人が必要なのは分かります。しかし、人を増やすと、新しい事業を行うお金がなくなります。まず職員を減らすことが大事ではないでしょうか。職員の給与を下げることはできませんから、採用を抑える以外方法はありません。
 審査意見書の14ページには、継続的な行財政改革が不可欠であり、不断の取組を望むものであると書いてあります。経費として一番大きいのは人件費ですから、その削減が最も大事だと思います。28年度に関しては、人件費は減っていますが、もっと大幅な削減が必要ではないでしょうか。人件費に対して、どのように考えるかお伺いします。
◎企画経営室長(関口芳正君) 
 行財政改革の観点から、人件費についてお答えさせていただきます。
 社会、生活スタイル等の変化に伴って、多くの区民ニーズに対応していくためには、行政が行うべき役割というものを十分精査した上で、限られた財源、人材の基に、優先的に何が必要かということを判断して、新しい事業を展開していくことが重要でございます。
 その一方で、既存の事業においては、行政評価や事務事業の見直しを図り、事務の効率化を改善し、人件費を抑制、職員の適正な配置を進めていくことが重要であると考えています。
◆委員(井上ノエミ君) 
 人件費を削減するには、業務を外部の専門家やコンサルタントに委託していけばいいのですが、28年度に指定管理者以外に業務委託を始めた例はありますか。あれば教えてください。
◎企画経営室長(関口芳正君) 
 平成28年度から、新たに外部業務委託を開始したものはございませんが、現在、会計管理室の審査業務につきまして、平成30年度からの民間委託の導入に向けて、事業者と調整を行っております。
 また、職員課の給与・福利事務につきましては、平成27年度から民間委託の導入を図っているところでございます。
◆委員(井上ノエミ君) 
 今後も積極的に業務のアウトソーシングを進めていただきたいと思います。
 次に、指定管理者制度についてお伺いします。
 指定管理者制度は、墨田区にとって、とても大事な制度です。そこで、今いくつの施設が指定管理者によって運営されているか数えてみました。全部で区内52の施設が指定管理者によって運営されています。これだけ指定管理者が多いですから、墨田区としてもしっかり指定管理者を監督していく必要があります。
 ほかの区では、指定管理者のサービス水準を強化しているところもあります。墨田区では、指定管理者の強化について、どのように考えていますか。また、現在どのように強化を実施しているのかお伺いします。
 また、第三者による評価も必要だと思いますが、どう考えますか、お伺いします。
◎企画経営室長(関口芳正君) 
 1点目の指定管理者の評価についてでございますが、区は、公の施設の設置者として、指定管理者制度を導入施設における管理運営が適切に行われているか、区の要求するサービス水準を満たしているかどうかを適切に評価するとともに、指定管理者に対し、指導監督を行う責任があると考えております。
 次に、指定管理者の評価方法についてでございますが、指定管理者から月次、年次で提出される各種報告書や実地調査等を踏まえ、毎年度末に、指定管理者が実施する業務内容について、年度末に評価を行っているところでございます。また、指定管理者に対して、施設の利用者アンケート等に基づき自己評価をするセルフモニタリングを義務づけているところでございます。
 3点目の第三者による評価についてでございますが、区では、平成25年度から指定管理者制度導入施設において、労働関係法令の遵守を徹底し、施設職員の労務環境を確保することで、施設利用者へのサービスの低下を防ぐことを目的として、施設職員の労務環境に関するモニタリングを実施しています。また、福祉施設においては、東京都福祉サービス第三者評価の実施を義務づけているところでございます。
◆委員(井上ノエミ君) 
 指定管理者の施設の運営に対しては、区民の声を反映することが大事だと思います。墨田区は、それぞれの指定管理者と協定書を交わしています。その協定書には、運営協議会を設置することになっています。また、この協議会の詳細は、墨田区が指定管理者と協議して決めることになっています。
 この運営協議会に区民の代表が参加することは、大変大事だと思います。是非、運営協議会に区民を入れるような運営協議会の設置要綱をつくってもらいたいと思いますが、どのように考えていますか、お伺いします。
◎企画経営室長(関口芳正君) 
 委員ご指摘のとおり、指定管理者制度導入施設におきましては、原則として運営協議会を設置することとしております。運営協議会には、関連する企業、団体、外部有識者、区民等を参加させることができるとしてございまして、施設の適切な管理運営に当たっては、区民の意見を取り入れることは重要であると考えております。
 しかし、施設の性質や利用形態によっては、一部の利用者の意見ではなく、さまざまな利用者の意見を広く聴取する必要もある、そういった施設もございます。こういったことから、運営協議会形式では適切でない場合もあるため、このような施設におきましては、例外的ではございますが、利用者アンケートを随時実施するなどの方法により、利用者の意見を施設運営に適切に反映できるようしてございます。
◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、区の施設が指定管理者によって運営されていることについての情報の公開についてお伺いします。
 いろいろな施設のホームページを見ると、その施設が指定管理者によって運営されていることが全く分からない施設もあります。恐らく、多くの区民も、区が直接運営していると思っていると思います。私は、区民に対しては、その施設が指定管理者によって運営されていることがはっきり分かるようにするべきと思います。そうすることによって、指定管理者もその施設の運営について責任を持って行うことができると思います。
 まず、施設のホームページに、指定管理者によって運営されていることを明確に公表する。そして、施設の中にも、誰にも見えるように、指定管理者の名前と責任者の氏名、連絡先を明記しておく。これぐらいのことは協定書に入れていただきたいと思いますが、ご見解をお伺いします。
◎企画経営室長(関口芳正君) 
 管理運営業務の実施に当たりましては、施設の設置目的や指定管理者制度の意義、管理運営業務の公共性を十分に理解した上で行うこととしております。また、指定管理者が行う管理運営業務の詳細については、あらかじめ要求水準を定めており、施設の管理運営主体が区であっても、指定管理者であっても、区が定める水準どおりかそれ以上の水準によって、運営が適切になされています。
 ご提案の協定書に、各施設ホームページに法人情報を明記するという点につきましては、現時点において、そのような義務づけについては検討しておりませんので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
◆委員(井上ノエミ君) 
 今の質問に関連してですが、墨田区の指定管理者について調べたいと思って、ホームページを探しても見つからない法人があります。また、区のホームページでも、指定管理者が選考されましたと指定管理者の名前だけが書いてあり、法人情報がありません。区民が本当に知りたいのは、その指定管理者はどんな法人で、どんな事業をやっていて、どんな人が経営しているのかです。大事な自分の子どもを預ける施設であれば、親がいろいろ調べるのは当然です。今どき、ホームページのない法人は相当怪しい法人だと思われても仕方がありません。
 また、社会福祉法人であれば、昨年、社会福祉法の一部改正があり、役員報酬を含めた情報の開示が決まっています。そして、ホームページで公表することになっています。指定管理者になる以上、区民に対して法人情報を公開することは当然の義務と考えますが、どのように考えますか、お伺いします。
◎企画経営室長(関口芳正君) 
 区といたしましては、指定管理者の選定に当たって、ウエブサイトでの法人情報の公開は条件としておりません。しかしながら、法人の運営理念が当該施設において、運営事業者が当該施設においてどのような事業展開をするのか、役員の経歴等を総合的に判断しておりまして、直営施設同様に安心してご利用いただける法人を指定管理者として選定しております。
 また、指定管理者に対しましては、区の情報公開条例の趣旨に基づき、指定業務に関し保有する情報の公開を積極的に行うための必要な規定を定めるほか、措置を講ずるよう求めておりますので、ご理解ください。よろしくお願いします。
◆委員(井上ノエミ君) 
 最後に、指定管理者についての情報公開請求についてお伺いします。
 指定管理者について、情報を公開してもらいたい場合には、墨田区情報公開条例に基づいて、墨田区に公開請求をすればいいのでしょうか。例えば、指定管理者の運営しているほかの保育園でこれまで死亡事故があったかどうか区民が知りたい場合に、これは大変重要な情報ですから、墨田区として情報を入手して公開していただけると理解してよろしいでしょうか、お伺いします。
◎総務部参事(岩佐一郎君) 
 情報公開請求の対象は、区の保有情報に限られることから、もし区のほうで情報を保有していない場合は、直接指定管理者に請求していただくのが制度上の原則となります。
 ただ、区では、指定管理者の選定に当たりまして、他自治体での事故等の有無も含めた運営の実績を幅広く調査の上、総合的に判断しておりまして、また、指定管理期間中においても、管理運営に関わる重要な情報については、適宜指定管理者に対して報告を求め、適切に指導監督を行っております。
 したがいまして、こうした指導監督に当たって、区が収集した情報については、本区の情報公開条例の規定に基づき、適切に対応いたしますけれども、死亡事故については、指定管理者に責任がないというケースなどもございますことから、一概に公開すべきかどうかというのは判断が難しい場合もございますので、その点はご理解をお願いいたします。
○委員長(しもむら緑君) 
 以上で、新しいすみだの質疑を終了いたします。