11月06日 決算特別委員会

◆委員(井上ノエミ君) 
 午前中に議論もありましたが、平成28年度の決算審査意見書に関連して、山本区長にお伺いします。
 墨田区の経常収支比率について、監査委員の意見は目標値の85%は達成しているが、適正水準と言われる70%から80%になっていないという厳しい意見です。款別質疑のときに、目標値を下げたらどうかと私は質問しましたが、墨田区の財政状況から85%は仕方がないという答弁でした。経常収支比率が上がると、新規事業のための予算がなくなります。少しでもこの比率を下げる努力が必要だと思います。平成28年度は83.7%でしたが、平成29年度は職員を大量に採用しているので、少し上がったのではないかと思います。山本区長に、今年度の経常収支比率の見通しと、来年度は経常収支比率をどの程度に抑えたいと考えているのかお伺いします。
◎区長(山本亨君) 
 まず、平成28年度決算の83.7%について、実は人件費の前年度対比については、逆に1.7%のマイナスというふうになっています。もう一つは、平成29年度の見通しということなんですけれども、期間中の歳入歳出、その状況が変動していきますので、現時点でその見通しをお伝えすると、ここでこのぐらいになりますということをお示しするというのはなかなか難しい状況でございます。
 また、平成30年度の経常収支比率をどの程度抑えるのかということで、比率を下げる努力ということにつきましては、平成28年度に策定した行財政改革実行計画、これを着実に実行することが大事であって、それが抑える一つの力になっていくんだというふうに思います。
◆委員(井上ノエミ君) 
 経常収支比率を下げるには人件費を減らす以外方法はありません。そのためには、業務の外部委託が必要です。指定管理者制度はかなり増えてきていますが、それ以外の業務委託はあまり進んでいないと思います。以前にも指摘しましたが、窓口業務を外部委託しているほかの区もあります。是非、山本区長にリーダーシップを発揮していただきたいと思いますが、どのように考えているのかお伺いします。
◎区長(山本亨君) 
 外部委託につきましては、人件費を削減する手法としては有効であるというふうに考えますが、委託費削減のため、先ほど来、議論もあるんですけれども、まずは事務の整理というものが必要であります。そして、そのために、業務改善推進プロジェクトということで、今、区で行っております全事務事業に係る業務量を調査して、その事務事業の見直しや事務処理方法の効率化、さらには組織全体の事務量と職員数の適正化というものを図っていかなければならないというふうに考えています。
 今年度の取組として、働き方改革ということで、推進の観点から事業の改善や整理を行って、行政のスリム化というものをしっかり目指す、全庁で考えていくという取組を行っていきたいというふうに思っています。
◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、指定管理者制度についてお伺いします。
 墨田区では現在、50の施設を指定管理者に任せています。また、これからは保育園の指定管理者も増やす方針ですが、それについて心配している区民も多いです。指定管理者制度は、墨田区にとって大事な制度になっていますので、山本区長に款別での質疑に関連してご見解を伺います。
 まず、指定管理者制度で一番大事なのは情報公開です。持っている情報を公開するだけですから、お金はかかりません。そして、区民の皆さんからは、それだけ安心して、信頼してもらえます。保育園に関しては、墨田区は指定管理者の労働環境モニタリングをやっています。このモニタリングは、保育園の労働環境はブラックな職場でないことを確認する調査です。また、それ以外にも、毎月のモニタリングと年次モニタリングをやっています。保育園の指定管理者制度については、私は、墨田区としてしっかり監督しているから心配はないと区民に説明しています。是非、保育園のモニタリングの結果をホームページで情報公開していただきたいと思います。墨田区がモニタリングで厳しく保育園の監督していることが分かれば、区民は安心して子どもを預けることができると思います。山本区長のご見解をお伺いします。
◎区長(山本亨君) 
 保育園に入園したいというニーズが高まっておりまして、先ほど来のお話のように、そうした世代の皆さんに墨田区で暮らし続けたいと思っていただかなければならない。その中で、今のご指摘の点、区による現地調査や月次、年次の報告書等に基づくモニタリング、それから労働環境モニタリング、それから東京都の福祉サービス第三者評価の受審ということで、区のほうでも保育園のそうしたモニタリング等はしっかり実施をしているというのが款別でのご答弁だったというふうに思います。
 そして、こうした東京都の福祉サービス第三者評価及び労働環境モニタリングを公表しておりまして、特に東京都の福祉サービス第三者評価の公表内容が、サービス内容や利用者の満足度等、利用者にとってより身近な情報になっているんだというふうに思っております。なお、保育園事業全般については、行政評価におきまして評価を実施し、それも併せてその結果を公表させていただいているということでございます。
◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、集会所、地域施設などの指定管理者の情報公開についてお伺いします。
 まず、指定管理者の法人情報ですが、墨田区から5,000万円以上のお金をもらっているわけですから、きちんと法人情報や収支決算をホームページで公開するべきと思います。
 また、その上に区民の声を反映するために、区民の代表が参加する運営協議会を設置しています。しかし、一体誰が運営協議会のメンバーなのか、いつ運営協議会が開催されたのか、情報が公開されていません。また、運営協議会のない指定管理者もあります。住民の声を広く聞いて、透明性を持って施設を運営することが大事ですから、是非これらの情報公開を進めていただきたいと思いますが、山本区長のご見解をお伺いします。
◎区長(山本亨君) 
 指定管理者の法人情報については、款別質疑でもお答えをさせていただきましたとおり、当該施設を管理する法人の情報について、ホームページ上でリンクを貼るなどして周知をしていきたいというふうに思います。
 そして、運営協議会の情報公開、これは大事な視点であるというふうに思いますが、その構成メンバーや開催日等の情報について、管理運営上の支障が生じない範囲内での公開について、それぞれの指定管理者とこれから協議を進めていきたいというふうに思います。
◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、吾妻橋観光案内所とうるおい広場におけるイベント開催についてお伺いします。
 新しい吾妻橋の観光案内所ですが、立地が悪く、観光客が立ち寄りにくい場所にあります。そのため、うるおい広場を利用していろいろなイベントを開催して、集客する必要があります。今、時々開催しているグリーンマーケットすみだもマンネリ化してきて、出店も減ってきているようです。マルシェをやるなら、もっと宣伝が必要ですし、出店も相撲部屋に頼んでちゃんこを出してもらうなど、工夫が必要だと思います。また、墨田区には、民謡、日本舞踊、太鼓などのさまざまな文化グループがあります。これらのグループは、すみだの貴重な観光資源だと思います。うるおい広場でパフォーマンスを披露してもらって、外国人観光客を浅草から集めることができると思います。いろいろ考えてやっていただきたいと思いますが、山本区長のご見解をお伺いします。
◎区長(山本亨君) 
 本当にそういう面では、水都すみだ、墨田区のうるおい広場を含めたにぎわいというものをしっかりとつくっていかなければいけないというふうにもちろん感じているところでございまして、グリーンマーケットすみだ、それからリバーサイドカフェ、吾妻橋観光案内所の移転などを通じて、是非にぎわいの創出というものをしっかりやっていくということについて間違いはないんですが、たまたま今、外壁の工事とか、事務所みたいなものがセパレートされたりして、少し狭くなってしまっていたりというタイミングの事情も含めて、現状あるなというふうには感じております。
 それから、グリーンマーケットなんかは、天気にも左右をされるものですから、お天気が悪い日との兼ね合いであるわけですけれども、これはさらに充実していきたいというふうに思っております。そして、来年の2月になりますと、東京水辺ラインの舟運、これも吾妻橋船着き場に移転してくるということになっておりまして、それから今後、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、北十間川の周辺整備等も進められるということの中で、是非そうしたところとも連携を持って、新たな観光資源をうまく活用しながら、さらなる水辺のにぎわい創出に向けて取り組み、そして、すみだで何かやっているぞと外国人観光客の皆さんも興味を持ってこちらに向かっていただけるような、そこはしっかりと進めていきたいというふうに思っています。
 また、今ご提案をいただいたグリーンマーケットでの相撲部屋との連携であったり、日本の伝統文化を感じるようなグループによるパフォーマンスの披露。一部、吾妻橋フェストとか、そうしたものと組み合わさったりということもありますけれども、是非これからも関係者の皆さんとうまく意見を交換して、そうしたことを実行できるようにやっていきたいというふうに思いますので、またご理解をお願いしたいと思います。
◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、墨田区の学力向上新3か年計画の成果についてお伺いします。
 昨年度から始まった墨田区の学力向上計画ですが、今年度の学習調査の結果を見ると、墨田区の子どもたちの学力が着実に向上しています。特に、小学校の国語と算数では、全国平均を超えるレベルになってきました。墨田区では、学校の学力問題はこれまでも大きな課題でした。区民にとっても子どもたちの学力は大変大事な問題でしたが、これまで何の向上も見られませんでした。今回このように実際に学力を向上させることができたことは大変うれしいことです。このような結果を出せたことは、教育委員会制度が変わって、区長がリーダーシップを発揮しやすくなったことが大きな原因と思いますが、山本区長はどのように考えていますか。ご見解を伺います。また、教育は大変大事な分野ですので、引き続きリーダーシップを発揮していただきたいと思いますが、特に区長として力を入れたい点がありましたら、お伺いしたいと思います。
◎区長(山本亨君) 
 今回、区の学習状況調査で、今お話をいただけたような結果が出たということは、大変私にとっても喜ばしいことだというふうに思いますし、この傾向を、今年に限らず、少しずつでもしっかりと上昇に向けて粘り強く、現場、そして教育委員会、それから私どもということで、是非そういういい傾向が続くようにさらなる努力をしていきたいというふうに思っています。
 そのためには、特に総合教育会議の中でも、例えば目指す子どもの将来像というものを明確に掲げて、夢や希望という言葉も使いますけれども、しっかり子どもたちによい教育環境を整えてあげるということが一番大事ですし、環境を整えながら、大人がしっかり子どもたちと向き合って、その子たちを育んでいくと。これは、地域も含めて、学校現場の先生方、我々全ての大人がそういうムードに墨田区全体がなっていくことは、とても大事なことだなというふうに思いますので、それはこれからも総合教育会議等を通してやっていきたいというふうに思っています。
 それから、ここへ来て、中学校や小学校の周年行事に何校か出ておりまして、これからも毎週続くんですが、そういうところに行くと、非常に子どもたちの新たな可能性を感じることがたくさんあります。例えば、昨日は美術館の表彰式がありまして、子どもたちの描いた284点もの、とてもすばらしい絵がたくさん出ていました。こうした絵画に向かう自分の気持ちを表現するというような可能性であったり、桜堤中学校が全国大会で銅賞をとったというブラスバンド、こうしたことも今までの努力の結果がそういう大きなすばらしい結果に結び付いている。おととい、墨田中学校でも39人の部員が一丸となってすばらしい演奏をしていただいたり、さらにはスポーツ施策なんかもオリンピックに向けてやると。要は、そういう環境を整えて、子どもたちにしっかりと我々の思いを伝えていく。そして、これからも子どもたちに頑張ってもらうということに力を入れていきたいというふうに思っています。
◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、加藤教育長にお伺いします。
 今回の学力調査で結果を出せたことは、加藤教育長をはじめ、教育委員会のスタッフの皆様、現場の先生方の努力のおかげと思います。まず御礼を申し上げたいと思います。
 款別の質疑のときにも要因について伺いましたが、現場の校長先生が先頭に立って、先生方と頑張った結果だというご答弁でした。
 そこで、加藤教育長に伺いますが、今回の学力向上計画の推進で、墨田区の子どもたちの学力の問題で一番大きな課題は何と考えているのかお伺いします。また、その課題を克服するためには、どのようにすればよいのかお伺いします。
◎教育長(加藤裕之君) 
 本年度の区学力状況調査の結果から、全体として、小学校の低学年から中学年にかけては学力の向上が見られますが、小学校の高学年や中学校の学力は、小学校の低学年や中学年ほどは向上しておりません。学力を向上させるためには、早い時期から内容を確実に定着させることが非常に重要となり、着実に積み上げていくことが一番大きな課題であると考えております。この課題を克服するためには、各学年の内容をその学年のうちに確実に定着させ、積み上げていくことが必要です。そのために、復習のための教材や指導する際のポイント集を作成して、全ての学校がこれらを使って組織的に取り組んでいくようにします。なお、教材、ポイント集などはICTを活用し、教員が授業で活用しやすいように整備していきます。
 また、学力が全ての学校が向上したわけではなくて、学力が向上していない学校もありますので、そういった学校につきましては、取組の進捗状況の把握をして、学校が組織的に学力向上の取組を推進していくようにしてまいりたいと思います。
○委員長(しもむら緑君) 
 以上で、新しいすみだの質疑を終了いたします。