10月26日 決算特別委員会

◆委員(井上ノエミ) 
 今日からよろしくお願いいたします。
 まず、実績報告書の23ページの大学誘致推進経費に関連して伺います。千葉大学とiUの誘致に関連して、今回、UDC、アーバンデザインセンターすみだが設立されました。ホームページを見ましたが、千葉大学とiUの間のオープンスペース、これはキャンパスコモンと呼ばれていますが、この設計はUDCすみだが中心になってやっています。ホームページには、キャンパスコモンの完成のイメージが出ています。欧米の大学のような、とてもすてきなデザインです。また、設計デザインのプロセスを見ると、多くの専門家や関係者が参加して、大変透明性が高いです。今後の墨田区の公園などの設計の大変よいモデルになると思います。
 そこで伺いますが、墨田区では、現在、公園などの改修事業がありますが、是非UDCすみだも関係していただき、アドバイスしてもらえば、デザインのよいすてきな施設ができると思いますが、いかがでしょうか。ご見解を伺います。

◎企画経営室参事(郡司剛英) 
 キャンパスコモン・あずま百樹園の設計に当たっては、UDCすみだを中心に区、千葉大学、iUが連携しながら行っております。当面は、まず足元を固めるという意味で、UDCすみだの活動はキャンパス周辺から始めることとしております。
 ただ、元来UDCすみだは区内全域を対象とした大学のあるまちづくりの推進母体として立ち上げた団体でございます。そういったことから、徐々に活動の幅を広げていき、区内の様々なまちづくりに関与していただきたいというふうに考えているところでございます。

◆委員(井上ノエミ) 
 UDCすみだでは、あずま百樹園のトイレの設計について学生のコンペを実施して、学生のデザインを採用しています。コンペを実施して、一番よいデザインを採用することは、墨田区をセンスのよいまちにするためにとても大事だと思います。
 その意味で、UDCが設立されたことは大変重要だと思います。墨田区のまちづくりに関するデザインコンペも実施したと聞いていますが、是非成果を公開して、今後のまちづくりの参考にしてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。伺います。

◎企画経営室参事(郡司剛英) 
 今年3月にUDCすみだ設立準備室が第1回すみだアーバンデザイン・アイデアコンペを実施いたしました。千葉大学、iUの多くの学生に参加をいただきました。審査会の模様や審査結果につきましては、UDCのウェブサイトで動画配信をしております。また、直近に行ったあずま百樹園のトイレのデザインのアイデアコンペにつきましてもホームページ上で公開しているところでございます。
 これらのコンペは、学生を巻き込んだまちづくりという側面で非常に有効であるというふうに考えてございますので、今後とも積極的に展開していきたいというふうに考えているところでございます。

◆委員(井上ノエミ) 
 今回、ワクチン接種会場の誘導サインと、区民に配布したホルダーのデザインは千葉大学のデザイン・リサーチ・インスティテュートの先生がデザインしたもので、国際的なデザインの賞を受賞されたと聞いています。これらのデザインを見て、生活の中でデザインは大変重要な役割を果たすことを認識しました。
 そこで伺いますが、DRIはUDCすみだの活動にも参加しているのでしょうか。そして、墨田区のあらゆる面でデザインを生かして、区民の生活やまちづくりに役立ててもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。伺います。

◎企画経営室参事(郡司剛英) 
 千葉大学が視覚伝達デザインの知見を活用しまして、本区と共同開発いたしましたワクチン接種会場の誘導サインにつきましては世界三大デザイン賞の一つであるドイツのレッド・ドット・デザイン賞を受賞しました。そのほか、日本のグッドデザイン賞のベスト100に選ばれるなど国内外で高い評価をいただいたところでございます。
 UDCすみだには、千葉大学のデザイン・リサーチ・インスティテュートの教員3名、環境デザイン、それからプロダクトデザイン、それから予防医学の教員が3名在籍してございます。そして、その拠点がキャンパスの1階にあるというようなことでございますので、地域と緊密に連携できる体制を取っております。
 今後とも、公民学の連携を様々な地域課題の解決につなげていきたいというふうに考えているところでございます。

◆委員(井上ノエミ) 
 京島のまちづくりにUDCが関係していますが、千葉大学の先生と学生で、長屋の耐震補強を実施したと聞いています。古い住宅の耐震補強は墨田区では大変重要ですが、なかなか進んでいません。安いコストでできる耐震補強の技術を、今すぐにでも墨田区で広めてもらいたいと思います。
 ワークショップは、コロナでまだできませんが、区民や工務店が参考にできる技術があれば、ホームページで発信していただきたいと思います。住宅の耐震補強に関してのUDCの貢献について伺います。

◎企画経営室参事(郡司剛英) 
 本日、午前中から様々ご質疑いただいてございますが、UDCすみだの先行プロジェクトとして、千葉大学の鈴木研究室が手がけましたアカデミックハウスは、ご指摘の耐震補強を含めまして現在の法規に適合できるよう公民館を改修して、学生向けのシェアハウスとして再生したものでございます。
 まちの既存ストックの再生と質の向上、大学の知の活用といった側面から、大変有効なプロジェクトであり、今後、東京都のほうから受けました補助金等も活用しまして、UDCすみだとして更に発展させた取組を展開したいというふうに考えているところでございます。
 UDCすみだには、墨田まちづくり公社も参画しており、公民学連携の組織としてのネットワークを活用し、アフターコロナを見据えた情報発信を強化するとともに、大学のあるまちづくりを地域にも還元できるよう、取り組んでいきたいと考えているところでございます。

◆委員(井上ノエミ) 
 次に、29ページの防災対策費の緊急地震速報システムについて伺います。
 このシステムは、幼稚園、保育園、小学校、中学校、児童館、高齢者施設などの墨田区の多くの施設に設置されています。各施設の館内放送と連動させて避難情報を流すことが可能だと理解しています。気象庁から発表される緊急地震速報は、現在ではテレビやスマホで受信できます。以前は、スマホが現在のように普及していませんでしたので、大変重要なシステムだったと思います。
 また、現在は、消防庁のJアラートもスマホで受信できます。墨田区では、独自の緊急メールシステムもありますし、防災無線システムもあります。この緊急地震速報システムは、少し古いと思います。その在り方を見直す必要があると思いますが、どのように考えているのか、伺います。

◎防災課長(山中淳一) 
 最近のスマートフォンは、ほとんどの機種で緊急通報のシステムも受信可能になるなど機能が充実しております。一方で、区では、普段スマートフォンを持ち歩かないような生徒、高齢者が利用する要配慮者施設に緊急地震速報装置を主に設置しております。これらの人に、各施設の館内放送システムと連動させて緊急事態をお知らせするということは大変重要であることから、引き続きシステムの整備を進めていきたいと思います。

◆委員(井上ノエミ) 
 このシステムは、私立の幼稚園には導入されていません。墨田区として、このシステムが区民の命を守るために必要なシステムと考えるなら、私立幼稚園にも設置するべきです。幼稚園が必要ないと考えているなら、このシステム自体がもはや必要でないと考えるべきと思いますが、ご見解を伺います。

◎防災課長(山中淳一) 
 区として、このシステムを導入しましたのは、指定管理者制度等を導入している施設も含めまして、区の施設と避難所に予定されている施設のみでございます。こうした考え方から私立幼稚園については、区の経費での導入は行っておりません。区の施設では、区に利用者保護の責任があるように、民間の施設には事業者さんに利用者の保護の責任があるというふうに考えております。
 なお、私立学校等につきましては、平成22年度に東京都による設置費助成が行われております。また、システムの必要性ですが、基本的に地震発生の際に緊急放送が入ることから、地震への心構えができますので、このシステムは必要だというふうに考えております。

◆委員(井上ノエミ) 
 最後に、31ページの功労者表彰経費について伺います。
 私の地元の若宮公園では、毎朝公園を掃除してくださる区民がいます。高齢の女性ですが、朝6時前に公園と周りの歩道を丁寧に掃除しています。また、時に深夜に掃除していることがありましたので、なぜかと聞いてみると、明日は雨だから今やっているとおっしゃっていました。
 現在の墨田区の功労者の表彰制度では、団体とか組織に属している方の表彰が多いです。この女性のように目立たない形で墨田区に長く貢献している区民は、実は多くいると思います。このような区民が表彰されるような制度があればと考えますが、ご見解を伺います。

◎企画経営室長(岸川紀子) 
 区では、区功労者表彰制度のほかに幾つかの顕彰制度がございます。今、お尋ねのあった事案に関しまして、目立たない形で墨田区に長く貢献していただいているということで、大変ありがたいというふうに思いますけれども、例えば、墨田区環境改善功労者・功労団体感謝状贈呈といったものも顕彰制度としてございます。
 この制度は、日頃から地域の環境改善にご尽力いただいている個人の方や団体の方に対して、功労を顕彰するといったものになっておりまして、その中に美化、リサイクルの推進に関しといったものもございます。
 地域の町会長又は自治会長ほかに推薦いただいて、顕彰するような仕組みになってございますので、ご相談をいただければというふうに思います。

○委員長(佐藤篤) 
 以上で、新しいすみだの質疑を終了いたします。