11月7日 決算特別委員会

付託決算の審査
  ア 報告第1号 令和4年度墨田区一般会計歳入歳出決算
  イ 報告第2号 令和4年度墨田区国民健康保険特別会計歳入歳出決算
  ウ 報告第3号 令和4年度墨田区介護保険特別会計歳入歳出決算
  エ 報告第4号 令和4年度墨田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算
   以上4件を一括して議題に供した後、総括質疑を行った。質疑終了後、日本共産党からの申出により、委員間討議を行った。
   その後、本日の会議を終了し、8日(水)午後2時から委員会を開会し、意見開陳及び採決を行うこととした。
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             会議の概要は、次のとおりである。
                              午前9時00分開会

○委員長(堀よしあき) 
 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
 早速、議事に入ります。
 付託決算の審査を行います。
 報告第1号、報告第2号、報告第3号及び報告第4号の各会計決算、以上4件を一括して議題に供します。
 本日は、総括質疑を行います。
 それでは、質疑を承ります。

○委員長(堀よしあき) 
 委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、順次質疑を承ります。
 次に、新しいすみだの質疑を行います。

◆委員(井上ノエミ) 
 山本区長が出席したタウンミーティングで、区長は、子どもの居場所づくりに積極的に取り組むとおっしゃっていました。子どもの居場所をつくるために、食事を提供する子ども地域食堂は大変重要です。区内には16か所の子ども地域食堂がありますが、場所が狭い、立地が悪いなどで子どもがあまり集まらない食堂もあります。反対に、児童館と協力している食堂については、うまくいっています。食堂を始めたいという区民はいますが、適当な場所がないということが大きな問題となっています。
 放課後に子どもが集まる場所は、児童館や学校です。これらの場所を希望者に提供して、子ども地域食堂を広げていく必要があると考えますが、区長のご見解を伺います。

◎区長(山本亨) 
 タウンミーティングでも子どもの居場所という点でいろんなご意見をいただいて、私も一定の答弁をさせていただきました。子ども食堂については、民間発の自主的、自発的な取組であり、活動場所についても各団体が自由に設定して開催していただいているという現状です。
 委員からご提案いただきました児童館や学校での開催については、いろいろな条件がございますので、難しいところもあるのかなと思います。例えば、施設ごとに状況が異なり、衛生管理上の課題等、ご要望にお応えできない場合もあるかとは思いますが、今お話をいただきましたので、まずは、それぞれの所管に相談していただければ、できること、難しいところなどのことについて、対応させていただきたいと思っております。

◆委員(井上ノエミ) 
 次に、賛育会病院が赤ちゃんポストを設置すると発表したことについて、山本区長に伺います。
 国内で2番目の赤ちゃんポストになりますが、賛育会病院の高本院長は、助けられる命は助けるという決意です。墨田区としても是非全力でサポートしていただきたいと思います。
 特に、児童相談所の役割が重要になります。墨田区では、児童相談所を設置しないで、サテライトオフィスをつくる計画だと思いますが、早急に賛育会病院と協議していただきたいと思います。
 また、熊本市の赤ちゃんポストでは、これまで150人以上の赤ちゃんを救ってきたそうです。赤ちゃんのために新しく戸籍をつくる必要もあります。熊本市に職員を派遣して、これまでの経験を学んでいただきたいと思います。
 また、私は、なるべく区民の方に赤ちゃんの里親になっていただいたり、特別養子縁組をしていただきたいと思います。乳児院は、家庭と環境が全く違うので、赤ちゃんは里親に育てられることが望ましいです。墨田区では積極的に里親を探していますが、是非区長自ら先頭に立って、里親になるように呼び掛けていただきたいと思います。山本区長のご見解を伺います。

◎子ども・子育て支援部長(酒井敏春) 
 社会福祉法人賛育会が妊娠SOS相談、内密出産、そして、いわゆる赤ちゃんポストの設置について検討中であるということを表明しております。これらの取組は、母子の命と権利を守る取組であると理解しております。
 賛育会から各事業についての相談をいただいておりますが、これらの事業については、児童相談所の役割が大変重要であり、また、区としても、戸籍をつくる業務や相談支援など、様々な役割が想定されています。子どもの命と権利に関わる取組でございますので、賛育会の考え方や事業計画を聴取するなど、必要な情報収集に努めていきます。また、東京都と連携しながら、課題の洗い出しなど、丁寧に検討を進めていきたいと考えています。
 また、里親に関するご質問がございました。事情により家族と暮らすことができない児童にとりまして、里親という家庭の中で育つことは、成長する上で有益であると考えています。里親に関する業務は、直接的には東京都児童相談所が所管していますが、本区では、児童相談所と連携して里親制度の普及啓発を進めてまいります。引き続き、区内の里親さんが増えるよう、普及啓発に取り組んでいきたいと考えております。

◎区長(山本亨) 
 ご質問に対しては、今、酒井部長がそれぞれについて、一定の答弁をさせていただいたところであります。私としましても、賛育会さんの思いというか、かけがえのない命を守る立場から、主に三つの事業を展開したいという相談を受けているという状況であります。子どもの命と権利に係るこうした事業は、区としても大変重要な事業であると受け止めておりますので、事業計画案もしっかりと拝見しながら、何よりも、児童相談所の役割のお話もありましたけれども、東京都とも連携を密にして対応していきたいと考えております。

◆委員(井上ノエミ) 
 今年は、関東大震災からちょうど100年ということで、区内にある東京都慰霊堂についての新聞記事も多くありました。墨田区の全ての子どもたちに、東京都慰霊堂を訪問して、震災の悲劇を学んで、地震の怖さを知り、地震対策に関心を持ってもらいたいと思います。ほとんどの学校は訪問していると思いますが、必ず訪問するようにしていただきたいと思います。また、墨田区に新しく勤務する先生や教育委員会の先生方にも、墨田区の歴史を知る意味でも訪問していただきたい場所です。加藤教育長のご見解を伺います。

◎教育長(加藤裕之) 
 今年度、関東大震災からちょうど100年ということで、東京都から資料の配布がありましたので、それを学校で活用するとともに、夏季休業明けの避難訓練や引渡し訓練、それから朝礼等での校長講話等の機会を活用して関東大震災を振り返るとともに、防災について考える時間を設けるなどの取組を行っております。
 慰霊堂への訪問については、児童・生徒の実態や学習状況に応じて、各学校長の判断で実施しております。教員と教育委員会の職員の件ですが、新採教員については、年度の初めに区内施設の見学地の一つとして慰霊堂を入れております。指導主事は、そのときに同行しますので、必ず慰霊堂には行っているということになります。今回は関東大震災ということですが、日頃から教科学習や避難訓練等、様々な取組で地震の被害の大きさについて学習をしていきますので、教員全員が必ず1回は行く、それから指導主事が訪問して学習するといったことを行っております。

◆委員(井上ノエミ) 
 是非、加藤教育長の指導力を発揮していただきたいと思います。
 次に、墨田区には昔は多くの文化人が住んでいました。有名な作家では、両国小学校出身の芥川龍之介がいます。向島には森鴎外、正岡子規、吉川英治、幸田露伴、堀辰雄、佐多稲子などが住んでいました。学校の先生方も恐らくご存じないと思いますので、まず先生方に知っていただきたいと思います。
 そして、小学校、中学校の国語の授業では、是非自分たちの身近な土地に住んでいた、これらの作家の作品を子どもたちに読んでもらいたいと思います。子どもたちは、有名な人が多く住んでいた墨田区を誇りに思うことでしょうが、教育長のご見解を伺います。◎教育長(加藤裕之) 
 今、委員からご指摘いただいた、墨田区にかつて住んでいた作家等の文化人について、子どもたちに知らせることは重要なことであると考えております。墨田区ゆかりの文化人については、先ほども少し出ましたが、教育委員会が作成している、5年生用と中学生用の社会科副読本の中でこの方たちを紹介しております。そして、これは、教員の指導における参考資料としても活用しております。
 また、小・中学校の国語の授業においては、小学校6年生と中学校3年生の教科書に、正岡子規、芥川龍之介、森鴎外の作品や参考資料が掲載されております。教員は、授業を行う際、事前準備として内容確認を行いますが、先ほどの副読本を活用して、子どもたちに話をしていくという状況です。また、これらの作家の作品は、区立図書館や学校図書館の書籍や、6月から導入した電子書籍にも収められておりますので、子どもたちに周知していきたいと思います。

◆委員(井上ノエミ) 
 次に、学校のPTAや幼稚園の保護者会の活動について、加藤教育長に伺います。
 最近は、学校でのPTA活動に関していろいろな意見が聞かれます。PTA活動は、ボランティア活動であり、強制的な参加ではなく、やりたい人がやるべきものです。幼稚園の保護者会も同様です。やりたい方がいなければ、活動を縮小していけばいいと思います。今までやってきたからという前例主義ではなく、身の丈に合った活動をやるのがよいと思います。また、様々な理由で参加しない方もいますし、共働きなので参加できないといった場合もあります。それは、あくまで親の問題であり、子どもたちには関係のない話です。中には、幼稚園の保護者会に入っていないという理由で子どもが差別を受けたという苦情もあります。PTA活動や保護者会の活動についての加藤教育長のご見解を伺います。

◎教育長(加藤裕之) 
 PTAは、児童・生徒の健全な成長を図ることを目的に、保護者と教員が協力し、学校、幼稚園及び家庭における教育の理解促進など、地域における教育環境の改善について様々な活動を行っている団体です。一方で、法的な位置付けとしては、社会教育法の社会教育団体に該当する任意団体で、公の支配に属さない自主的な業務を行う団体であります。最近では、PTAの運営方法の見直しを模索したり、数年前と比べると、その意識も変化していることは認識しております。教育委員会としては、幼稚園も含め、PTA活動が社会教育の観点から重要な役割を担っているという認識に変わりはなく、社会教育法にのっとった支援をしていきたいと考えております。

◆委員(井上ノエミ) 
 次に、131ページの区民健康費の母子健康診査費に関連して伺います。
 1歳半と3歳の乳幼児健診は、母子保健法で受診が義務付けられています。遠方の実家での子育てなどを理由に、受けないケースもあると思います。しかし、未受診の子どもは育児放棄や児童虐待を受けやすい環境にあります。
 そこで、墨田区における直近の未受診児の数が分かれば、教えてください。また、何%が未受診でしょうか。

◎本所保健センター所長(鈴木友和) 
 乳幼児健診につきましては、令和4年度実績で1歳半健診の対象者1,936人のうち、未受診児が108人で、未受診率は5.6%、同じく令和4年度実績で、3歳児健診の対象者1,954人のうち、未受診児が80人で、未受診率は4.1%、令和5年度におきましても、9月末時点で同程度の受診率となっております。

◆委員(井上ノエミ) 
 未受診の子どもたちをフォローすることは、大変重要なことだと思います。どのようにフォローしているのか、また、子育て支援総合センターと情報が共有されているのか伺います。

◎本所保健センター所長(鈴木友和) 
 未受診の子どもへのフォローにつきましては、保健センターでは、毎年、四半期ごとに健診未受診者をリストアップして、予防接種履歴調査、訪問調査等を実施しています。育児放棄や児童虐待の心配がある場合は、要保護児童対策地域協議会の調整機関でもある子育て支援総合センターに連絡して情報共有を図っています。

◆委員(井上ノエミ) 
 次に、区内の民泊施設について伺います。
 新型コロナも落ち着いて、外国人観光客が増えています。区内の民泊施設に宿泊する観光客も多いですが、現在、区内には幾つの民泊施設があるのでしょうか。
 また、私の地元にも民泊施設が増えてきて、騒音やごみの処理についての苦情があります。外国語でチラシを作って民泊施設に配って、利用者に注意してもらうなどの対策をお願いしたいと思いますが、ご見解を伺います。

◎生活衛生課長(村田大輔) 
 現在、区内には、住宅宿泊事業法の規定による届出施設が835施設、また、旅館業の許可を取得している施設が395施設ございます。事業者の責務としまして、外国人の宿泊者の方にもしっかりと対応することが求められていると考えております。
 生活衛生課では、設備の使用方法、騒音・ごみ出しなど周辺への配慮、火災防止、災害が発生した際の注意事項等について、ホームページに英語のほか、中国語、韓国語等、9か国語に対応しましたチラシの見本を掲載しており、事業者の方にしっかりと活用していただけるように啓発しています。

◆委員(井上ノエミ) 
 次に、土木費のときにも伺いましたが、錦糸公園にある太陽光パネルの携帯電話の充電装置について伺います。
 緑町公園とおしなり公園にある同様の装置は機能していましたが、錦糸公園の装置は壊れていました。区民から苦情がありますので、撤去してもらいたいと思いますが、ご見解を伺います。

◎環境保全課長(山中淳一) 
 錦糸公園、緑町公園及びおしなり公園に設置している自立式ソーラースタンドについてでございますが、こちらのソーラースタンドは、電力系と接続せず、太陽光発電システムからの電気のみで携帯電話の充電が可能なLED照明を備えたものとなっています。
 錦糸公園のものにつきましては、携帯電話の充電部分が故障していることを承知しておりますので、対応について、現在、検討しているところです。

◆委員(井上ノエミ) 
 次に、若宮公園には秋に大量の枯れ葉が集まります。地元の方々には、落ち葉から堆肥、腐葉土を作りたいという希望があります。腐葉土は、枯葉から簡単に作れます。廃棄物を減らすという意味でも、資源を有効利用するという意味でも、是非墨田区で枯れ葉の堆肥化を進めてもらいたいと思います。家庭からポリバケツを持ってきてもらって作ってもいいですし、公園に枯れ葉をためる場所を作ってもいいと思います。是非検討してもらいたいと思います。
 墨田区は、これまで堆肥を作った経験があるのでしょうか。また、今後、このような事業をやる気があるのか伺います。

◎道路公園課長(松岡宏輔) 
 公園内において、落ち葉を集めた腐葉土作りということに関しては経験がございます。東向島北公園などでボランティアの方が腐葉土作りを行っていましたが、出来上がるまでにかくはんするなどの手間が非常に多く掛かるため、現在は、行っていません。唯一、墨田公園で墨堤の桜の保全を行っているボランティア団体が、桜の下の花壇内に落ち葉や枯れ枝を集めて腐葉土作りを行っているところです。
 腐葉土作りは、廃棄物の総量削減や資源の有効活用などの利点があるものの、手間が掛かる、使用頻度がそれほど高くないなどの課題もあることから、公園管理者としては、公園内で堆肥や腐葉土を作るということは考えてはございません。公園愛護団体やボランティア団体から公園花壇等で使用するための腐葉土を公園で作りたいというご相談がございましたら、そのような場所がつくれるかどうかを含めて検討していきたいと考えています。

◆委員(井上ノエミ) 
 次に、168ページの住宅費に関して伺います。
 地域温暖化対策として重要なのは、住宅の断熱です。工務店が最新の断熱技術を習得して断熱性能の高い住宅を造ることは大変重要です。新住協という団体が工務店のための断熱技術の講習会を開催しています。是非、墨田区でも講習会を開催して、工務店の断熱技術を向上してもらいたいと思いますが、ご見解を伺います。


◎建築指導課長(田口茂敏) 
 地球温暖化対策ということでは、窓や壁等の断熱性能を向上させるということ以外にも、建物の気密性能向上や、建築計画で採用した建材、換気設備などということも関係してきます。建て主のニーズをかなえつつ、低炭素に寄与する建物を計画するためには、費用対効果を考慮しながら、設計者と密な打合せをすることが重要であると考えています。また、設計されたものに対する工事監理体制も重要と考えています。通常、これらの役割を担うのは設計者であるため、私どもとしては、定期的に東京都建築士事務所協会と情報交換会を開催して、そのような機会に情報を共有し、設計者を通じて地元工務店に展開したいと考えています。


○委員長(堀よしあき) 
 以上で新しいすみだの質疑を終了いたします。