3月5日 予算特別委員会

委員(井上ノエミ君) 

 まず、180ページの保健所運営費についてお伺いします。
 多くの区民の皆さんは、放射能の内部被曝を大変心配しています。今回の予算では、食品の放射線量を測る機器を購入する予定ですが、給食を検査するための機器と聞いています。なぜ給食に使われる食材は検査しないのですか。
◎児童・保育課長(宮本知幸君) 
 保育所、小・中学校の給食の放射性物質の測定については、流通している食品は安全だということで、これまで対応してきたところでございます。しかしながら、このほど厚生労働省のほうから、食品に含まれる放射性物質の新たな基準というのが示されまして、より子どもに配慮したものになってございます。また、4月から適用されるということで公表されたところでございます。それを受けまして、保護者の方々の不安の解消と安心を確保するため、2月から、保育所、小・中学校、幼稚園の給食の放射性物質を測定することになりました。今後、月1回の測定ということで、引き続き継続して実施を考えてございます。
◆委員(井上ノエミ君) 
 食材については、生産地の自治体が検査を行っていますが、サンプリング検査であり、また検査体制も整っていないとよく言われています。自治体が100%食品の安全性を保障してくれれば理想ですが、現実は、なかなかそうはいきません。
 東大教授で原子物理学の早野龍五先生は、給食の丸ごと検査と汚染度の高い食材のサンプリング検査を組み合わせるのが、最も効率がよいと言っています。実際、神奈川県の横須賀市や海老名市では、両方の検査を行っています。
 3月1日に厚生労働省が発表した食品の放射性物質の検査結果によれば、汚染度の高い食材はよく分かります。生産地が、東北、関東地方であり、シイタケ、ホウレンソウ、ブロッコリーなどです。早野先生が勧めるように、汚染度の高い食材の検査をやってはどうでしょうか。
◎生活衛生課長(須藤浩司君) 
 基本的に、先ほど宮本児童・保育課長が申し上げたとおり、出荷元自治体において食材の検査を行うというのが、国の方針であり、考え方でございます。この理由といたしましては、やはり流通段階でやるということは、非常に流通が広域化する昨今においては、非常に捕捉が困難ということで、生産地が生産者責任の原則に立って検査を行うということとされているところでございます。
 ところが、一応、先ほど言った広域流通化の視点から申しますと、墨田区内だけではなくて、東京都が、流通品については、買い上げ検査という形で、補う形で実施しておりますので、そちらの検査結果、そして生産地の検査結果というのを参考にしながら、いわゆる安全性についての監視指導をきちんと行っていきたいと思っているところでございます。
 また、区民の不安の声に対しては、きちんとそういったデータをお示しして説明してまいりたいと考えております。
◆委員(井上ノエミ君) 
 早野先生は、測定結果を公表することによって、放射性物質が出なければ、風評被害も抑えられ、生産地を支援することになると言っています。
 次に、4月からは食品の放射性物質にかかる新基準が適用されます。野菜や肉、魚などの食品は、これまでの暫定基準の500ベクレルから100ベクレルと大変厳しくなります。そのために、より精度の高い機器が必要で、現在ある検査機器も改良の必要があり、納期が遅れているようです。墨田区では、いつごろこの検査機器が納入されて、実際の検査はいつごろから行われますか。
◎保健予防課長(山下公平君) 
 新年度のなるべく早い時期、5月ぐらいには納入され、その後、テスト、調整等を行いまして、6月には、今現在、外部の検査機関で検査いただいております給食の検査を直営の検査でできるような準備をしているところでございます。
◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、墨田区の児童福祉、児童の虐待対策についてお伺いします。
 児童に対する虐待が大変大きな社会問題になっており、小さな子どもが虐待の犠牲者になっています。大変残念なのは、多くのケースで、虐待の事実が分かりながら、子どもが死亡していることです。虐待は、病院、保育園、学校などで発見されることが多いです。その後、自治体や児童相談所との連携が、スムーズにいかないことがあるようです。今回の予算では、このような流れに対処しているのですか。
◎子育て支援総合センター館長(前田恵子君) 
 児童虐待において、子どもの命を守るためには、関係機関との連携が最も重要なことでございます。その連携を緊密にするために、要保護児童対策地域協議会経費として予算を計上しているところでございます。この要保護児童対策地域協議会では、学校、保育園、幼稚園、医師会、児童相談所等の関係機関が、児童虐待に対する早期発見や対応について協議し、虐待を受けている子どもが関係機関のはざまに陥らないようにしているところでございます。
 また、児童相談所との連携につきましては、東京都と23区で児童相談所と区市町村間における東京ルールを定めておりまして、そのルールに基づいて、お互いの役割分担を行い、円滑な連絡調整のもと、児童虐待の対応を行っているところでございます。
◆委員(井上ノエミ君) 
 全国的に、大変、虐待件数が増えていて、そのために1人の職員が担当する件数が多く、すぐに対応がとれないと言われています。墨田区では、相談件数は増えていますか。ここ数年の相談件数を教えてください。
 また、現在1人の職員が受け持つ件数は何件でしょうか。
 また、非常勤の職員も増えていると聞いています。現在、迅速な対応ができているのでしょうか。1人の職員が受け持つ件数の限界もあると思いますが、理想的には1人で幾つの件数を受け持てばいいのですか。
◎子育て支援総合センター館長(前田恵子君) 
 新規に虐待相談を受けた人数でございますが、21年度が120人、22年度が209人、23年度は24年1月末現在でございますが、177人となっております。
 現在、虐待の対応を行っている職員は4人でございまして、平均して1人約44人のケースを担当しているところでございます。
 児童虐待対応の職員数は児童福祉法施行令で人口5万から8万人に1人の配置となっています。墨田区の人口は25万人でございますので、3人から5人という数になるところでございます。
 児童虐待の対応は、職員1人で行うというものではなくて、学校や保育園、それから保健センターなどと連携して、支援していくことになりますので、職員の数という問題もありますが、関係機関と情報を共有いたしまして、役割分担を行うことがスムーズな対応につながると考えているところでございます。
 また、現在、虐待対応している職員4人のうち、3人が児童福祉士の任用資格を取得しておりまして、専門的な対応が可能な職員を配置しているところでございます。
◆委員(井上ノエミ君) 
 行政改革で職員の削減をやっていますが、本当に必要な虐待対策などのためには職員を増やす必要があると思います。また、虐待を防ぐために、母親が社会から孤立しないようにすることが大事です。特に、社会から孤立しやすい外国人の母親のための対策も必要だと思います。外国人の母親のための子育て支援などは何かやっていますか。
◎子育て支援総合センター館長(前田恵子君) 
 親子で交流する場であります両国・文花子育てひろばでも、外国人の親子の方のご利用もいただいているところでございます。社会から孤立しやすい外国人の母親に対する対策についてでございますが、お母さんが子育てに不安を持っているということを素早く察知しまして、地域の子育て支援につなげていく必要があると思っております。
 そのためには、関係機関が連携した見守りを行うとともに、気軽に相談できる場があるということのPRを強化していきたいと思っているところでございます。
◆委員(井上ノエミ君) 
 虐待が起こらないようなコミュニティをつくることが大事だと思います。そのためにも、社会全体で母親を支援する体制をつくることが必要です。今後も是非頑張っていただきたいと思います。
○委員長(樋口敏郎君) 
 以上で、みんなの党の質疑を終了いたします。