委員(井上ノエミ君)
今日もよろしくお願いします。
まず、山崎区長にお伺いします。
私は墨田区に移り住んで12年以上経ちました。その前はほかの区に住んでいました。ほかの区と比べて墨田区はとても住みやすいまちです。墨田区に住んでいると多くの人に会えます。町会の活動やお祭りやいろいろなグループの活動があります。そして多くの人と友達になれます。墨田区にあるこのような人のネットワークは墨田区の財産です。このようなネットワークをソーシャルキャピタルと言います。ソーシャルキャピタルは区民を幸せにする、大事な役割を果たします。これからのまちづくりはこのソーシャルキャピタルを増やすことが大事です。
区民のネットワークはたくさんつくる必要があります。そして区民がお互いに信頼して生活していくことができます。しかし、墨田区では今大きな変化が起きています。マンションが増えて新しい区民が増えています。また、ワンルームマンションが増えています。このままでは新しい区民の墨田区と、昔から住んでいる区民の墨田区の二つに分かれてしまう可能性もあります。そのためにもソーシャルキャピタルを増やす政策が大事です。
例えば消防団はワンルームマンションに住んでいる若い人たちにも積極的に参加してもらうようにすることが大事だと思います。町会は高齢化しています。若い人が参加するイベントをやって、マンションに住む区民と交流する必要があると思います。墨田区にはこの問題に真剣に取り組んでもらいたいと思います。山崎区長にご意見をお伺いします。
◎区長(山崎昇君)
ご指摘のとおり、地域の中でさまざまな行事、活動が行われているわけでございますが、そこに住んでおられる若い住民の方々がなかなか参加しないということが、これまでも大きな課題として受け止めております。私はこの若い方がこの地域社会のそういった活動に参加していただくには二つの受け皿をきちっと整備する必要があるのでないかと、そのように思っております。一つはやはり若い方が参加する機会づくりを是非積極的に地域の中で、町会・自治会も含めて、そういった場をつくっていただくということが必要ではないか。いま一つは、そういうところに参加して中心となる人材を若い方の中に育てていくことが必要ではないかと。この二つがうまくまとまれば、私は若い方々が地域の活動に参加するのではないかと、そのように思っております。
現に、地域の中ではそういったことを実践的に取り組んで効果を上げているところもございますので、是非そういった事例を各町会・自治会をはじめ、地域の中に説明をさせていただいて、そして若い方が参加する機会をつくっていきたい、そのように思っています。
ご質問の中に、ワンルームマンションに住んでいる方も消防団にというお話もございましたが、ワンルームマンションの住人は非常に定住期間が短いということがございまして、なかなか消防団活動にはなじまないのかなと思っています。議員の中にも消防団活動に参加されている方がたくさんおられますが、やはり消防団員は日ごろから訓練をして、そして自分、あるいは地域の安全を守るということで、やはりそのためにはしばらくの時間がかかると思っております。私はワンルームマンションとか、そういったところにお住まいの方は消防署の中に災害支援ボランティア制度というのもありますので、そういったものを紹介して災害支援ボランティアとして、一朝有事の際に活躍をしていただくほうがいいのではないか、そのように思っております。
いずれにしても若い方々がそういった地域の行事に参加する機会は是非つくらせていただきたい、そのように思っています。
◆委員(井上ノエミ君)
次に、墨田区がやっているイベントについて山崎区長にお伺いします。
昨年、私が区議会議員になってから墨田区の仕事を見て、区役所はイベントが多いと思いました。区の広報紙はほとんどがイベントの情報です。区役所はイベントオーガナイザーになっています。環境関係でも自然観察会、苗の無料配布、トンボフェアなどいろいろやっています。このようなイベントが本当に必要でしょうか。わざわざ区役所がこのようなイベントを開催する必要があるのか疑問に思います。山崎区長には来年の予算では是非イベントの予算をゼロベースで見直していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
また、区役所には別の大事な仕事があります。職員もイベントをやるために大変忙しいでしょう。イベントはNPOに委託してやってもらえばよいと思いますが、山崎区長、いかがでしょうか、ご見解をお伺いします。
それでは、どんなイベントをやるべきでしょうか。墨田区のソーシャルキャピタルを増やすためのイベントを重点的にやるべきだと思います。区民のネットワークをつくるためのイベントや区民の活動を支援するイベントが大事だと思います。墨田区は、区民の活動を支援するための「いっしょにネッと」というホームページを持っています。このホームページを使ってNPOからプロポーザルを出してもらい、その中からよい提案を実施すればよいと思います。職員が考えるよりもよいアイデアが出てくると思います。プロポーザル方式を導入してイベントを決めることについて、山崎区長のご見解をお伺いします。
また、今は評判がよくても悪くても毎年同じようなイベントをやっています。行ったイベントを参加者の人数、コスト、参加者からのフィードバックによって評価して、よいイベントであれば続ければよいと思います。イベントを評価して区議会にも報告していただきたいと思いますが、山崎区長のご見解をお伺いします。
◎区長(山崎昇君)
区役所が行っているイベントが非常に多いというご指摘をいただきました。私も土曜、日曜、ほとんど区役所のイベントに駆り出されておりまして、そういったことから率直に言いますと、イベントの数は多いんじゃないかなというふうに、私自身も思っております。区がさまざまなイベントを実施するようになった経緯はいろいろあるわけでございます。今まで区役所の施策というのはチラシ、ポスターなど紙ベースで区民の皆様にお知らせをしてまいりました。
しかし、今の社会の動きというのはそうではなくて、そういったことに区民自らが自主的に参加するとか、あるいは体験するとか、そういったことによって区の施策にいろいろと協力をしていただけるというようなことに変わってきております。したがって、私どもも是非そういったことを企画して区民の皆さんに参加をしていただくことによって、区の施策のPR、普及をしていきたいというのが、こういったイベントが多くなってきている理由でございます。
しかし、今お話しのように区がイベントを全部やっていると大変でございますので、最近は実行委員会だとか、NPOだとか、そういった方々に主体になっていただいて実施しているところでございます。したがって、お話にありましたように、「いっしょにネッと」といったホームページも持っている、あるいは「すみだの力応援基金」というものをつくって、自主的な活動を提案していただいて、それに対して区が支援をするといったこともこれから拡充をさせていただいて、区が直接ではなくてもそういった区民の皆様が主体的に取り組んでいただけるというようなことについては是非検討させていただきたい、そのように思っています。
さらには、行革の一環としてイベント等についても見直しをというお話でございましたので、これについても、もう既にその効果は達成しているとか、あるいは効果性が薄いだとか、いろんな観点からイベント全般については見直しをさせていただきたい、そのように思っております。
◆委員(井上ノエミ君)
次に、59ページの国際交流活動費について、山崎区長にお伺いします。
国際交流のための予算は初めは547万円でした。補正で517万円に減らされました。それでも66%しか使われていません。税金を節約することは大事です。しかし、墨田区は国際観光都市を目指しています。また、予算額も大きくはありません。来年は根本的に事業内容を見直して国際交流活動を活性化していただきたいと思いますが、山崎区長、いかがでしょうか。
また、NPOからプロポーザルを出してもらうことも検討していただきたいと思います。特に防災対策のためにも墨田区に住んでいる外国人のネットワークをつくることが大事だと思いますが、山崎区長のご見解をお伺いします。
◎区長(山崎昇君)
予算の執行率が低かったことについては、担当の部長からご説明をさせていただきたいと思います。
お話しのように、東京スカイツリーが開業し、墨田区に多くの外国人の方もお見えになっているわけでございまして、そういった意味ではこれからもっともっと国際交流を進めていかなければならないという基本認識は十分持っております。そういった中で、今後その拡充についてもいろいろと検討させていただきたいと、そのように思っているところでございます。
なお、NPOからプロポーザルを出してもらって、そして国際化推進をしていったほうがいいのではないかというご提案がございました。既に墨田区には国際化推進クラブという組織がありまして、これは自主的な団体として活動されております。こういうところでさまざまな国際交流事業を展開していただいているところもございます。したがって、今お話しのように、これからどういった国際交流をしていくべきか、その事業等についてはこの国際化推進クラブの皆さんのご意見も十分拝聴して、そしてお互いに協力して国際交流を進めさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
◎区民活動推進部長(鈴木陽子君)
国際化推進に関わります事業費の執行率が低かったということでございます。
この中の国際化推進費と海外都市の交流推進経費、これを合わせたものが国際化推進の関係予算でございまして、当初予算467万9,000円で執行実績が約320万円でございます。これは款別質疑でもご説明をさせていただきましたとおり、区の海外友好都市との国際交流事業に関する補助金の申請がなかったことと、海外友好都市からの訪問者数が想定よりも少なかったということでございます。
◆委員(井上ノエミ君)
次に、子育て支援についてお伺いします。
墨田区の子育て支援は大変充実してきました。また、新しいスタイルの子育て施設もできました。東駒形にあるグループ型小規模保育室の「ぶどうの木」は保育園と保育ママが連携して運営する新しいタイプの保育施設です。
また、亀沢にあるすみだ子どもサロンは子育てをしているお母さんのための大変よい施設です。ほかのママさんたちと友達になれて、ネットワークをつくることができます。若いお母さんたちのソーシャルキャピタルを増やすことができます。
すみだ子どもサロンはNPOが運営しています。年間のコストも1,600万円です。子育てにやさしい墨田区にするためにはこのような施設を区内にあと四つぐらいつくってはどうでしょうか。全部で5カ所になっても8,000万円の予算で済みます。無駄なイベントの予算を削減することによりその費用が出せると思います。是非子育てにやさしい墨田区をつくっていただきたいと思いますが、山崎区長のご見解をお伺いします。
◎区長(山崎昇君)
墨田区は非常に子育て支援を積極的にやっているということで、評価もいただいているところでございます。そういった中で、今のお話の子どもサロンについても、既にNPOで1カ所実施をされているわけでございます。
そのNPOの子育てサロンで活動されていた方々が、自分たちでそういったものをもっと企画してやろうではないかということで、「キラキラママのつどい」というようなことで、今回は産業会館を使っておやりになるというふうに聞いておりますが、私はそういったサロンから生まれた団体活動を是非行政としても支援してまいりたいと。それによって区内で子育てがしやすい、そういった環境もつくらせていただきたいというふうに思っておりますので、改めて子どもサロンをどこかにつくるということではなくて、そういった自主的な活動を是非行政として支援する方向でやらせていただきたい、そのように思っております。
◆委員(井上ノエミ君)
次に、現在の教育委員会制度について山崎区長にお伺いします。
墨田区の子どもたちの現状を見ると、教育がうまくいっていないと思います。学力の問題もあります。いじめの問題もあります。これは墨田区だけではなく日本全体の問題でもあります。しかし、区民から見れば子どもたちの教育は大事な問題です。
また、これから墨田区に住みたいと思う人にも大事な問題です。しかし、教育委員会は教員の人事権もありません。これは大変難しい問題です。教育委員会を廃止すべきという意見もあります。教育委員会制度について山崎区長のご見解をお伺いします。
◎区長(山崎昇君)
私の知っている限りでは、この教育委員会制度というのは戦後すぐにでき、その趣旨はやはり教育行政の地方分権、あるいは自主性ということにかんがみて、アメリカの占領政策の中で行われたと聞いております。そういった中で、教育委員会については、その安定性といいますか、政治的中立ということから、その教育委員会制度ができて、区長部局から離れた形で設置をされております。
したがって、私はそういった制度の趣旨というか、それは十分果たされているというふうに思っております。しかし、昨今、そのことについていろいろと国のほうでも議論がされているというふうに聞いておりますので、私としてはその推移を見守らせていただきたい、そのように思っております。
◆委員(井上ノエミ君)
次に、いじめ対策について横山教育長にお伺いします。
いじめは日本全体で大きな問題になっています。しっかりした対策を教育委員会として実施する必要があります。私は先週いじめ対策のスクールカウンセラーについて質問しました。墨田区のいじめ対策は十分な成果を上げていないと思います。2,500万円を使ってスクールカウンセラーを置きましたが、余り効果がありません。
私はスクールカウンセラーのプログラムを充実させれば、いじめ対策に効果があると思います。今のスクールカウンセラーのプログラムでは中途半端です。まず、予算も2,500万円ではとても少ないですから、教育委員会のイベントの予算を減らしていじめ対策に重点的に予算を付ける必要があると思います。教育委員会は今のいじめ対策で十分と考えていますか、お伺いします。
また、有能なスクールカウンセラーを採用していじめ対策をやってもらいたいと思いますが、今の墨田区のスクールカウンセラーをどのように評価していますか、横山教育長、お伺いします。
◎教育長(横山信雄君)
いじめの問題は本区では命に関わるような事案の発生は見られませんが、その対策は大変重要な課題であると考えています。まずは、その予防対策や事案発生時における教育委員会と連携した各学校の取組体制の強化が大事だと思います。
そうした中で、スクールカウンセラーの果たす役割も年々大きくなっておりまして、いじめや不登校の未然防止、改善及び解決、あるいは学校内の教育相談体制の充実に欠かせない存在となっております。このスクールカウンセラーの設置効果は十分あると考えており、相談件数も年々伸びているという状況でございます。
そうした中で、現状の配置では大規模校を中心に若干不十分であるというふうに考えていますので、各学校一律の対応ではなくて、そうした課題のある学校への加配だとか、あるいは緊急対応としてのカウンセラーの派遣による対応を今後検討していきたいと考えています。
一方においては新聞報道によりますと、文部科学省でいじめ対策総合推進事業として、平成25年度予算の概算要求の中でスクールカウンセラーの増員を想定しているというようなこともありますので、国や都の動向を注視していきたいと思っております。
○委員長(福田はるみ君)
以上で、みんなの党の質疑を終了いたします。