◆委員(井上ノエミ君)
私は日本の学校と外国の学校の両方を知っていますが、日本の学校の問題は二つあると思います。
まず、英語教育が大変遅れていること。もう一つは、コンピューターの教育が遅れていることです。英語とコンピューターの教育はとても大事なことで、この二つの教育がほかの国と比べて大変遅れています。これは、本当に深刻です。
そこで、まずICT教育についてお伺いします。
今年から墨田区の学校でタブレット型端末が導入されました。まだ、一部の学校だけですが、タブレットを具体的にどのように学校で使用して、どのように役立っているのか、また生徒の反応についてお伺いします。
◎庶務課長(岩佐一郎君)
タブレット型端末でございますが、平成25年度からコンピューター教室のノートパソコンの6年のリース更新に合わせて順次タブレット型端末を導入しているところです。活用の事例でございますが、例えば、吾嬬第二中学校の事例で申し上げますと、実際に英語の授業でタブレットを教室に持ち込んで使っております。英語で発音した内容をヒアリングして、それで何を言ったのかを書き込み、どういった内容だったのかを班の中で話し合って、班ごとに発表をする。これをディクトグロス活動といいますが、そういう英語指導で活用しております。その際に、生徒からの感想を聞いておりますが、お互いの発表ができるので、意見交換ができてよかったと。あるいは、授業そのものが楽しかったという意見が大半でございました。非常にいい反応があったかと思います。
あとは、業平小学校などでは社会科見学の際にパソコン教室にあるタブレットを生徒が持ち出して、外で写真などを撮って持ち帰るという活動もしております。これも社会科見学としては、なかなか充実した内容になったと考えてございます。
メリットとしては、児童がお互いに自分の答えを見せ合ったり、クラスの中で発表したりする機会が増えること、また、発表がしやすいという効果がございます。あとは、授業が楽しいので、授業への集中力が非常に高まっていると感じております。こういった効果が見られておりますので、今後とも是非活用してまいりたいと考えております。
◆委員(井上ノエミ君)
予算書の231ページの学校ICT化推進事業費についてお伺いします。
来年度の予算では、全校にタブレット型端末を配布するのでしょうか。
◎庶務課長(岩佐一郎君)
全校へのタブレット型端末の配布については、配布する前にやるべきことがたくさんあると考えております。児童・生徒全員にタブレット型端末を配布しますと、当然授業の中で使いますので、教室に電子黒板がなければなかなか活用がうまくいかないことがございます。そこで、私どもは電子黒板を教室へ配備することが必要だと考えて、これを順次実行してまいりたいと考えています。タブレット化にあたっては、PCルームのノートパソコンをタブレット型端末に変えていくことを、まず順次やって下地をつくろうということです。小学校が6校で、中和小学校、横川小学校、第三吾嬬小学校、第四吾嬬小学校、第一寺島小学校、梅若小学校。中学校が本所中学校、文花中学校、あとは新校の吾嬬立花中学校、これらの学校のPCルームを変えていこうと考えています。
◆委員(井上ノエミ君)
このタブレット型端末は、キーボードを付けるとパソコンとして使える製品だと思います。タブレット型端末は簡単に使えますが、パソコンの使い方を習うことも大事だと思います。特に、パソコンで文章を作成したり、英語の勉強に使うこともできます。また、プレゼンテーションのためにはパワーポイントの使い方も必要です。
そこでお伺いしますが、このタブレット型端末には文書作成やプレゼンテーション用のソフトは入っているのでしょうか。また、そのソフトの使い方は教えていますか。
◎庶務課長(岩佐一郎君)
タブレット型端末にはキーボードを別に付けて、普段は机の上ではキーボードを置いてタブレットを立てかけてノートパソコンのような使い方ができるようになっております。必要に応じて、タブレット型端末だけを持ち出せる使い方になってございます。
あとは、ワード、エクセル、パワーポイントといった通常のオフィスソフトと同等のものがアプリケーションとして入っているので活用できます。発表用のソフトにつきましては、子ども向けのプレゼンテーションのソフトがございますので、むしろそれを使うほうが多いのかなと思っています。
あとは、文書作成やソフトの使い方でございますが、これは技術家庭の授業でも行っておりますし、先ほども申し上げましたいろいろとタブレット型端末を持ち込んだ授業ですとか、あるいはPC教室での授業で、文書を作成したり、その指導を行い実際に使っているところです。
◆委員(井上ノエミ君)
パソコンを使うためには、キーボードの操作が大事です。そこでお伺いしますが、中学校ではタイプの仕方は教えているのでしょうか。文書の作成は、どのように教えているのかお伺いします。
◎庶務課長(岩佐一郎君)
キーボードが付いてございますので、そのキーボードを使って文書を作成することを主に技術家庭の授業で男女共に行っています。そのほかの授業でもいろいろと文書を作成したり、発表したり、その発表に当たって文書を打ち込んだりとか、そういう中でキーボードの操作の指導をしています。
◆委員(井上ノエミ君)
次に、英語教育についてお伺いします。
東京2020オリンピック・パラリンピック開催のために学校や生涯教育で英語教育、外国語教育を一層強化する必要があると思います。何か新しいお考えはありますか。
◎指導室長(橋爪昭男君)
学校に関することでお答えいたします。東京スカイツリー開業後、多くの方が本区を訪れていますが、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催により、さらに多くの外国の方が訪れることが予想されます。墨田区は国際観光都市を目指しておりますので、外国語でおもてなしができる区民の育成のためにも、英語教育を推進する必要があります。既に、小学校5年生、6年生の外国語活動のために学習指導要領に示してある標準指導時数の35時間よりも多い指導時間を確保して、独自の教材である「すみだイングリッシュ」を活用して、質の高い授業を行っています。つまり、小学校段階から英語教育の充実を図ってきています。
今後は、幼保小中一貫教育も踏まえ、英語力が身に付く取組みを工夫するとともに、今使っている「すみだイングリッシュ」をオリンピックの開会までに内容を改訂して、オリンピックの話題なども盛り込んだ教科書をつくっていきたいと考えています。
◎生涯学習課長(前田泰伯君)
生涯学習分野についてお答えいたします。これまで、生涯学習の一環として開催している地域学セミナーの英語講座として、年1回3日間連続の講座を実施しているところでございます。こちらは、墨田区を訪れた外国人の方に地域の出会いの中で、おもてなしの心で接して墨田の歴史、文化を伝えていただくことができるように英会話を学ぶ講座でございます。
平成26年度におきましても、オリンピックを含め国際観光都市を目指す墨田区にあって、語学に関心のある区民のニーズに応えるため、年1回の実施から年2回の実施に増やして、引き続き実施したいと考えております。
◆委員(井上ノエミ君)
子どもたちの英語力を伸ばすために、スピーチコンテストを墨田区で実施したNPOがあります。教育委員会は、この活動を応援しているのでしょうか。
◎指導室長(橋爪昭男君)
委員おっしゃいますように、スピーチコンテストは「すみだイングリッシュ」で身に付けた英語力を発表することを通して、英語を学ぶモチベーションになるとともに、英語でコミュニケーションをとることの楽しさや喜びを体験することができると考えています。
また、人前で発表することは、自信にもつながると考えております。墨田区では、英語で会話する能力に課題があることから、既に中学校では学校ごとにスピーチコンテスト等を行って、生徒の学ぶ意欲を高め、英語力の向上を図っています。今後は、NPOとの連携も視野に入れて墨田区でのスピーチコンテスト実施について、研究してまいりたいと思います。
◆委員(井上ノエミ君)
次に、東京2020オリンピック・パラリンピック開催についてお伺いします。
2020年に向けて、墨田区でもスポーツ振興に力を入れる必要があります。私は東京オリンピック・パラリンピックに参加する選手を、墨田区から出したいと思います。ロンドンのパラリンピックには、墨田区から三浦浩選手が参加しました。今の中学生、高校生の中でスポーツで優秀な記録を出している選手やチームがあれば、区民でお金を集めて海外の大会に送り出したりして応援したいと思います。そこで、お伺いしますが、来年度の予算でオリンピック開催に向けて何か考慮をした点がありますか。また、将来的に考えていることがありますか。
◎スポーツ振興課長(中山賢治君)
来年度の予算におきましては、特に2020年オリンピック・パラリンピックに向けての個別の事業予算は計上してございませんが、既存の事業の中でスポーツ振興やオリンピック開催の機運醸成等に向けた事業の実施を検討してまいりたいと考えてございます。
また、既存の事業の中でも中高生、あるいは小学生の中からスポーツの素質を磨くジュニア育成事業を、これは東京都と東京都体育協会と連携して、区内では墨田区体育協会が中心となって幾つかの競技団体と連携をして実施してございます。そういった事業につきましては、オリンピックに向けた来年度の国の事業の中にも、予算の提示がございました。今後、東京都もそういった事業の実施に向けて動き始めると思いますので、本区におきましても、そういったところと整合を図りながら実施に努めてまいりたいと考えてございます。
◆委員(井上ノエミ君)
東京2020オリンピック・パラリンピックでは、墨田区のスポーツ施設が選手の練習会場になると思います。錦糸町の総合体育館や両国屋内プール、両国中学校の体育館などが練習会場になるでしょう。区内にオリンピック選手が来るだけでも、区民にとってはうれしいことなので、積極的にオリンピック委員会に協力してもらいたいと思います。そのためには、トイレやシャワールームを整備する必要があります。国から補助金をもらうように積極的に動いてもらいたいと思います。まだ時間はありますから、是非検討していただきたいと思いますが、ご見解をお伺いします。
◎スポーツ振興課長(中山賢治君)
施設整備等につきましては、先に示されました来年度の国の予算の中には、まだ盛り込まれてございません。先だって東京都からは施設の拡充、バリアフリー化等に向けて、補助事業の実施について提示がございました。来年度行う本区の施設整備等については、そういった点を十分配慮してまいりたいと考えてございます。
○委員長(出羽邦夫君)
以上で、みんなの党の質疑を終了いたします。
自民党、準備をお願いいたします。