◆委員(井上ノエミ君)
まず、160ページの児童福祉委託費及び162ページの保育園費に関連して伺います。
山本区長は、今回の予算において子育て支援を最も重要な課題としています。子育てしやすい墨田区をつくることはとても大事です。特に、保育園の整備は急いでやる必要があります。墨田区は子育て支援事業計画や保育所整備計画をつくり、待機児童をなくすために量的な拡大を行っています。その中でも中心的な政策は民間活力の導入です。限られた予算の中で保育園を整備するためには民間の力が必要で、指定管理者に保育園の運営を任せることも必要だと思います。
今回、亀沢保育園を指定管理者に移行することも必要だと思います。しかし、区民の中からは「民営化は保育の質を下げる」と反対の声が出ています。区議会としても保育の質が下がらないように、しっかりと監督していく必要があると思います。また、区民からこのような声があることを受け止めて、保育園をしっかり監督する体制をとっていただきたいと思います。墨田区として保育園をどのように監督していくのか伺います。
◎子育て支援課長(小倉孝弘君)
保育定員については、この3年間で約1,000人拡大しており、区立保育園へ指定管理者を導入する際も、保育サービスの拡充とともに保育の質の確保、向上が重要であると認識しています。保育施設への指導監督については、子ども・子育て支援法に基づき、保育の内容や衛生管理などの運営に関する事項、保育施設の面積、職員配置などの施設設備、人員に関する事項などについても、指導検査は行うこととしています。体制については、本年度から区立保育所を園長で退職した職員を再任用職員として配属して、職員体制を強化しているところです。これに加えて、東京都が実施する研修会への参加、近隣区と連携してブロック会議等を開催して、指導検査に関する情報交換や検討会などを行っているところです。また、新たな指定管理者については、事業者を公募する際に保育の実施、職員の配置、職員の研修、園児の健康管理、保護者との連絡調整などについて、要求水準を区で示し、今までの区立保育所の保育の質を確保しています。そして、指定管理者が運営を開始した後も、要求水準について適切に実施できているかどうかを確認するとともに、区と指定管理者が連携、相談体制を強化して、保育の質の確保や向上を行うものです。
◆委員(井上ノエミ君)
保育園の民営化ですが、民間では待遇が悪いのでよい保育士がこないことを区民は心配しています。確かに保育士は給料が安いことで有名です。新卒ではそれほど差がないと思いますが、30歳以上になってもほとんど給料が上がらないので続ける人はいなくなります。経験がない若い保育士ばかりで、安心して子どもを預けられないという心配は理解できます。墨田区のある保育園の指定管理者の求人情報をインターネットで調べてみました。年齢は40歳まで可能ですが、月給は最高で21万5,000円です。これでは経験のある保育士は集まりません。よい人材を集めることは、よい保育を行うために最も大事です。既に世田谷区や横浜市は保育人材確保事業を始めています。世田谷区は月8万2,000円、横浜市は6万円の住宅費を保育士に支給しています。墨田区としても、経験のある保育士を確保する計画を考える必要があると思います。待遇を改善することによって、よい保育士を集めることができますので、私はチャンスだと思います。是非よい保育士を集める方法を考えていただきたいと思いますが、ご見解をお伺いします。
◎子ども課長(杉崎和洋君)
保育定員の拡大とともに、その前提となる保育士の確保に向けた保育人材確保事業も重要だと認識しています。そこで、本区においても平成26年度から保育士の宿舎借上げ支援事業を始めており、世田谷区の例が出ましたが、同様の助成を行っています。また、東京都の補助事業を活用して、保育士の人件費改善も行っています。次年度も引き続き、こうした施策を展開していきたいと思います。
◆委員(井上ノエミ君)
次に、180ページの「区民の健康寿命UP大作戦!」について伺います。
「ウォーキング大好き!大作戦」は、すばらしいアイデアだと思います。ウォーキングを日常の生活に取り入れてもらえば健康になり、医療費の節約や介護予防になると思います。ただ、最近の医学の研究によれば、ただのウォーキングではなく、インターバルウォーキングが老化の予防に大変よいことが分かっています。NHKの番組でも放送されているので、見た方も多いと思います。信州大学医学部の能勢教授が提唱した運動で、普通のウォーキングと3分ほどの早足を繰り返して12分ぐらい歩くと、ただのウォーキングと比べて大幅に体力がつくそうです。このように医学の研究も進んでいますので、是非大学とも連携して効果的なウォーキングの方法を区民に広げていただきたいと思います。また、以前の定例会で山崎区長にも提案しましたが、スカイツリー・ウォーキング大会を開催して、区民にウォーキングを広めることも検討していただきたいと思いますが、ご見解をお願いします。
◎保健衛生担当参事(岸川紀子君)
ただいまのウォーキングマップについての提案ですが、国も健康日本21で、1日に歩く歩数の数値目標を定めて少しずつアップするようにと言っています。今回のウォーキングマップの作成については、ご提案のような歩き方や効果的なウォーキングの仕方も重要になってくるので、医療機関や大学などとも連携し、マップの作成を区民や企業にご提案いただく形で進めていきたいと思っています。
また、スカイツリー・ウォーキングについては、マップの作成を区内企業にも呼びかけを行っていきたいと思っており、区がウォーキング大会を主催するというよりは、いろいろなところでウォーキングへの機運が高まり、大会が実施されれば大変ありがたいと思っています。呼びかけをしながら検討していきたいと思いますが、現時点では、まだスカイツリー・ウォーキングという形になるかは分かりませんが、協働して行っていきたいと思います。
◆委員(井上ノエミ君)
次に、188ページの環境衛生監視事業についてお伺いします。
墨田区内にあるペットショップが大変不衛生な状況だという話を聞いています。ペットショップ、つまり第一種動物取扱業者ですが、ふんや尿で大変不衛生になりやすい場所ですから、環境衛生監視の対象になるべきだと考えます。また、環境省は平成26年11月18日に、動物愛護の観点から、第一種動物取扱業者に対する監視指導の徹底について指示を出しています。この指示は東京都に出されており、このようなペットショップの状況は動物愛護の観点からも問題だと思います。墨田区として、これまでペットショップの環境衛生監視を実施しているのか伺います。
◎生活衛生課長(福谷光広君)
取扱業者に対する監督権限は、区ではなく東京都にあるので、動物の取扱いに関する監視指導は東京都が行っています。ご指摘の店舗については、飲食店を併設しており、いわゆる猫カフェと呼ばれるもので、墨田区では飲食店としての営業の許可を出しています。したがって、動物愛護の観点ではありませんが、食品衛生の観点から飲食店としての部分についてのみ、墨田区が監視指導を行っています。具体的には、調理場と客席とをドア等で完全に区画すること。それから猫が調理場内に侵入しないよう管理すること。客席内の清掃を徹底すること等について指導しています。
◆委員(井上ノエミ君)
次に、368ページの介護予防普及啓発事業についてお伺いします。
4月から介護の総合事業が始まります。65歳以上の全ての人を対象とした一般介護予防事業、特に予防普及啓発事業は、やり方次第では介護予防に大きな効果を上げることができると思います。和光市のように、要介護率を減らすことができると思います。とても大事なプログラムですから、是非この事業を拡大していただきたいと思います。パワートレーニング教室、筋力トレーニング教室、体操教室などいろいろなメニューを計画していますが、プログラムの効果をきちんと評価していただきたいと思います。トレーニングの効果がはっきりと分かれば、より多くの区民に参加していただけると思います。そのために、大学の医学部や体育学部と協力して、科学的に実施する必要があると思います。是非専門家のアドバイスを活用していただきたいと思いますが、それぞれのプログラムの効果の測定に関してどのように考えているのか伺います。
◎高齢者福祉課長(福田純子君)
介護予防普及啓発事業については、啓発目的の事業で、できるだけたくさんの方が取り組めるように、平成28年度からは初心者が入りやすいプログラムを考え、事業拡大を図ります。また、専門家のアドバイス活用については、幾つかの事業で、介護予防運動指導員等の有資格者を実施委託の要件にしており、受講者の体力向上や維持に資するプログラムを組み立てているところです。効果測定については、プログラム開始前後において評価を行っており、大学数校からの申出により、転倒予防教室やまちなか体操教室などで経年評価の調査協力をいただいており、専門的な見地からの事業の効果測定に取り組んでいます。