◆委員(井上ノエミ君)
まず、368ページの介護の予防事業について山本区長にお伺いします。
4月から、介護の総合事業が始まります。特に、65歳以上の全ての人を対象とした予防事業も今回始まります。介護予防活動は要介護率を下げるためには大変大事です。区民の多くの人に参加してもらいたいと思います。そして、本当に墨田区の要介護率を下げてもらいたいと思います。結果を出していただきたいと思います。
墨田区高齢者計画を見ると、要支援・要介護認定者数は、平成26年は1万734人ですが、平成37年には1万3,628人となります。増えるのは主に要介護者です。10年間で3,000人の要介護者が増えるわけです。これは、墨田区と区民にとって大変大きな負担になります。その意味で、介護予防にこれからは相当力を入れないといけないと思います。山本区長のお考えと決意をお伺いします。
◎区長(山本亨君)
平成28年度から開始します総合事業、自治体独自の取組が競えるというか、自治体独自の取組をしっかりとやっていくということでありまして、区内の高齢者の皆さんに一生元気で暮らしていただけるように、施策をしっかりと展開していかなければいけないと思います。
特に、要介護者を増加させないための元気なうちから介護予防事業に取り組むことと、地域で介護予防を継続できるシステムづくりについては、大変重要であると思っています。こうしたことを高齢者福祉部門のみならず、国民健康保険であったり、介護保険であったり、それから保健計画課の諸事業、そうしたものをはじめ、健康習慣獲得のための子ども・教育部門の取組を含めてしっかり連携をとって、要介護者の軽減策を積極的に、介護予防事業をしっかりとやっていきたいと思っています。
◆委員(井上ノエミ君)
墨田区には高齢者が6万人近くいます。介護予防であれば、65歳から75歳までの住民が中心になると思います。それでも3万人います。来年度実施する介護予防のための教室ですが、全部で何人ぐらいの高齢者を受け入れることができますか。3万人の高齢者に対して、介護予防の活動に参加してもらうには、予防活動を相当拡大しないと、実際に要介護率を下げることは難しいと思います。今後、区民の高齢者の何%ぐらいを予防活動でカバーできると考えていますか。お伺いします。
◎高齢者福祉課長(福田純子君)
平成28年度においては、65歳以上の高齢者を対象とした初心者向けの一般介護予防事業を参加数延べ1万5,000人を超える枠を用意しております。また、一部重複しますが、事業参加後に介護予防事業を継続して行う団体、自主グループが35ございまして、こちらを支援しております。こちらに参加できる延べ人数が1万6,000人となっております。
これらの事業を総合的に進め、介護予防を希望する65歳から74歳の高齢者がご自身のライフスタイルに合った活動を継続して行えるよう、積極的に事業を推進していく考えでございます。
◆委員(井上ノエミ君)
私は今回の予算にあるウォーキング大作戦を成功させて、区民にウォーキングを広げることが大事だと思います。ウォーキングを墨田区で広めるためには、広い歩道を整備する必要があります。また、自転車が歩道を走ると安全にウォーキングができません。自転車とウォーキングのルートに整備することも必要です。
また、区民に関心を持ってもらうには、参加する人に対するプレゼントが大事です。横浜市では、インターネットに接続できる歩数計を配って、歩いたデータを記録できるシステムをつくっています。歩くとポイントがもらえて、抽選で景品がもらえます。このように、総合的な政策が必要ですので、区長のリーダーシップがないと実現できません。これらのアイデアに関して、山本区長のご意見をお伺いします。
◎区長(山本亨君)
一つ目の自転車レーンについてですが、まず水戸街道の一部区間、そして曳舟川通り、八広はなみずき通りに現在設置されております。やはり自転車レーンの設置後、多くの自転車が車道を通行するようになって、歩行者の安全性や快適性も向上していると考えています。
その中で、28年度においては、区役所通りへの自転車レーンの設置に向けて事業を着手させていただきたいということです。今後も警察、それから国道・都道管理者と連携をして、自転車レーンのネットワーク化に取り組んでいきたいと思います。
そして次のご質問ですが、ウォーキング大作戦で参加をして喜んでいただける景品、ポイント制度の導入ということ、これは区民のウォーキングへのインセンティブとして、ご指摘の点は重要だと思います。ただ、区単独でこれを実施していくことはなかなか難しいと考えますので、参加を呼びかける企業などとしっかり連携をしながら、協賛をお願いしたりして、そんな中でポイント制の導入、景品等を検討していきたいと考えております。
◆委員(井上ノエミ君)
墨田区のプールに行くと、プールで歩いたり、泳いだりしているのはほとんど高齢者の女性です。また、スポーツ教室などでも、参加者は女性が大変多いです。男性の高齢者は少ないです。私は、これは本当に困った問題だと思います。介護予防の観点から、男性にももっと積極的に、スポーツやいろいろな地域の活動に参加してもらいたいと思います。
このように、高齢者の男性が社会から孤立することに対して、何らかの対策が必要だと思います。パイロット事業をやってみることも必要だと思います。墨田区として、この問題に対してどのように考えていますか。お伺いします。
◎高齢者福祉課長(福田純子君)
介護予防事業の参加者は、全国的に男性の参加が少ない傾向にございます。ですが、墨田区は介護予防事業のうち、男性に参加されやすいように呼びかけをするようなチラシをつくったり、また、教室なども公園等の外の教室を増やすなどの工夫をしております。地域の男性向け介護予防活動として、自主活動の団体も徐々に増えているところでございます。今後も更に先進的な取組なども行っている自治体の例を参考にしながら進めていきます。
また、男性の介護者対策でございますが、新聞等によりましても、介護による男性の社会からの孤立化が問題となっております。区では、平成20年度から男性介護者教室に取り組んでおりまして、男性介護者の孤立化防止を図り、さらに男性介護者が地域を支えるというネットワークづくりを目指しているところでございます。
◆委員(井上ノエミ君)
次に、新保健センターの整備計画について、山本区長にお伺いします。
新保健センターは、横川に建設することを検討していると聞いています。ただ、場所が墨田区の外れで、向島地区からは相当離れています。乳児健診など、赤ちゃんを連れてくるには相当大変です。向島保健センターは出張所という形で残して、乳幼児健診はそこでやったほうが住民には親切だと思いますが、山本区長はどのようにお考えでしょうか。お伺いします。
◎区長(山本亨君)
向島、それから本所地区、これに関わらず、これまで近くに保健センター、保健所があった住民には、確かに一つになって中心地ということになれば、不便になったなと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、これから計画をし、整備までの間に少し時間がありますので、そういう面においては先ほどのご答弁でもさせていただいたように、区内循環バスルートの一部変更とか、車で来られた方のための駐車場をしっかりと設ける、そういうような形で工夫をしながら区民の皆さんにとって利用しやすい施設となるように努めてまいりたいと思います。
◆委員(井上ノエミ君)
次に、環境ふれあい館に関連して、山本区長にお伺いします。
環境ふれあい館は2月で閉館になりました。雨水の展示物は、日本ではほかにない大変ユニークなものでした。墨田区では、奥山区長の時代に相撲協会と交渉して、両国の国技館に恐らく日本で初めて雨水利用の設備を付けました。また、雨水利用の国際会議も墨田区で開催しています。全国に先駆けて雨水のタンクに対する助成金をつくりました。
21世紀は水不足が心配されています。水のない世界の多くの国では、雨水を飲み水として利用しています。墨田区の子どもたちには、環境教育としてだけではなく、国際理解のために世界の水の状況や雨水利用に関する勉強をしてもらいたいと思います。今後は、雨水に関するパネル等を各地で展示すると聞いています。墨田区内だけでなく、全国にも貸し出して、雨水の資料を有効に利用していただきたいと思います。
そこでお伺いしますが、区役所の庁舎の1階の北斎コーナーですが、北斎美術館ができると北斎の作品などを展示する必要はなくなると思います。今の北斎コーナーを利用して、その場所に雨水の資料やパネルなどを展示していただきたいと思いますが、ご検討いただけますか。山本区長にお伺いします。
◎区長(山本亨君)
公共施設マネジメントにおいて、施設の効果的・効率的な利用、こうした観点から、施設機能の転換というものを総合的に今、検討している最中でございます。その検討の中では、庁舎1階の北斎展示コーナーへ、環境ふれあい館の雨水資料を展示していくということは、なかなか難しいと考えています。どういう形でそうしたものをどのようにしていくのかということは、ご意見を伺いながら、改めてまた検討してまいりたいと思います。
○委員長(加藤拓君)
以上で、新しいすみだの質疑を終了いたします。