◆委員(井上ノエミ)
205ページの観光推進についてお伺いします。
墨田区には、観光資源がたくさんあります。観光振興のために一つ一つの観光資源を大事にする必要があると思います。両国橋のたもとに、両国橋児童遊園があります。ここに大変大きな石碑があります。正面に大きく表忠碑と書いてあり、西郷隆盛のいとこの大山巌が書いたものです。この石碑の裏には、日露戦争に本所地域から出兵して戦病死した人の名前が書いてあります。
また、この石碑を建てた中心人物は榎本武揚です。インターネットにも、この石碑の写真がたくさん載っています。100年以上昔の1907年の石碑ですが、これが建てられた経緯について、もし分かっていることがあれば教えてください。
◎観光課長(楠幸輔)
こちらは資料があまり多くないので、分かっている範囲でというところなんですけれども、今委員からお話のありましたとおり、日露戦争における戦死者、病死者の慰霊、そして、凱旋記念のためというところで、本所区徴兵慰労議会によって建立されたものというふうに伺っております。
◆委員(井上ノエミ)
大きな石碑ですが、説明板がないので、区民や観光客には何のための石碑か分かりません。昔のことで難しいと思いますが、当時の新聞記事を探すなどして情報を集めて、説明板を設置していただきたいと思います。
この石碑に名前のある榎本武揚は、堤通の梅若公園に銅像があります。向島に住んでいたので軍人だったこともあり、これに関係したのでしょう。また、日露戦争の関係では、両国小学校に、日本海海戦でも活躍した駆逐艦「不知火」のいかりが展示されています。
この児童遊園には、赤穂浪士の大高源五の読んだ句の石碑もあります。討入りの前日に大高源五が両国橋で俳人の宝井其角に偶然会いました。そのときに、大高源五が読んだ俳句が書いてある石碑です。この話は、赤穂浪士のファンにとっては有名で、歌舞伎や講談の題材にもなっています。
このように、両国橋児童遊園は歴史的な観光資源がありますので、是非、案内板を設置してもらいたいと思います。
また、これらの話を観光協会のホームページでも紹介していただきたいと思いますが、ご見解をお伺いします。
◎観光課長(楠幸輔)
案内板の設置など、これから先、観光施策としてどういった取組をしていくかということについては、どういった目的で、どのような方々に向けた取組をしていくのか、そして、どのような効果を狙っていくのかということをしっかり整理していかなければいけないというふうに考えているところでございます。
なお、大高源五の読んだ句に関する石碑につきましては、既に観光協会のホームページでもご案内させていただいているところです。今後、どのようなものを効果的に観光振興のために発信していくことができるかについては、観光協会と協議を重ねて検討してまいりたいというふうに考えております。
◆委員(井上ノエミ)
できれば、案内板に外国人の観光客のためにQRコードを付けて、そこから多言語で説明が見られるようにしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
次の質問ですが、217ページの公園管理費、特に公園や児童遊園における芝生の使用について伺います。
墨田区の公園には、これまで芝生は少なかったのですが、最近は大きな公園だけではなく、児童遊園にも芝生を入れています。芝生は維持管理費がかかります。隅田公園では多くの区民が芝生の上でテントを張ってピクニックをしています。ここは、芝生を入れてとてもよかったと思います。
ただ、維持管理費に年間1,460万円かかります。墨田区は財政的に大変厳しい状況ですから、維持管理費については最小限にする必要があります。今後は、芝生の導入については慎重に考える必要があると思います。
最近、公園や児童遊園に芝生を入れることになった主な理由は何か、伺います。
◎道路公園課長(齋藤雄吉)
公園の再整備でございますけれども、区の考え方だけでなく、地域の方のご意見を伺いながら進めてございます。
近年は、ピクニックなどの家族の憩いの場としての利用とか、かけっこなどの子どもたちの広々とした遊び場での遊び、熱中症対策や景観の向上等の観点から、地元のワークショップ等を通じまして芝生広場の導入をしてほしいという声が上がってきております。
ダスト舗装に比べまして整備とか維持管理費がかかりますけれども、芝生広場を導入することで区民の方々に憩いの場を提供することができることから、地元と調整を図りまして、芝生広場の導入を決めているところでございます。
◆委員(井上ノエミ)
次の質問ですが、児童遊園では、芝生の代わりに人工芝を植える考えもあると思います。特に子どもたちが日常的に芝生で遊ぶと、維持管理が大変難しくなると思います。人工芝は検討しなかったのでしょうか、伺います。
また、芝生と人工芝の価格、維持管理費、耐用年数を比較してご説明ください。
◎道路公園課長(齋藤雄吉)
芝生の初期費用でございますけれども、1平方メートル当たり約2,400円でございます。
また、年間の芝生の維持管理費は、全体の平均でございますけれども1平方メートル当たり約2,200円です。
また、人工芝の初期整備費用でございます。こちらのほうは、1平方メートル当たり約2万円でございます。人工芝でございますけれども、定期的な維持管理の必要性はないんですけれども、耐用年数が5年から10年と短く、耐用年数を過ぎた際は全面の張替えが必要となります。
また、芝生でございますけれども、定期的な維持管理を行えば、耐用年数は特にございません。
10年に一度でございますけれども、芝生を張り替えると仮定した場合、芝生のほうが安価となります。
◆委員(井上ノエミ)
芝生は、数年経つと張替え時期が来ます。維持管理費には張替えの費用も含まれているのでしょうか。現在の維持管理費以外にかかる費用があれば、教えてください。
◎道路公園課長(齋藤雄吉)
芝生の損傷が著しい場合、維持管理の中で芝生の補修を行って状態を保ってございます。
維持管理の内容でございますけれども、芝刈りとか、除草とか、かん水とか、肥料やりとか、土、エアレーション、補植等を行っており、芝生の状態を適宜確認しながら維持管理を行ってございます。
維持管理上の補植でございますけれども、それは芝生の面積の約20%以下までを言います。それを超える場合は、張替えとして維持管理費とは別に工事費が別途かかる予定でございます。
◆委員(井上ノエミ)
維持管理費を考えると、隅田公園や錦糸公園のような大きな公園の中で管理ができる部分に芝生を入れるという方針がいいのではないかと思います。
次の質問ですが、228ページの住宅について伺います。
最近、中年の方で住宅に困っている区民の方から相談を受けました。生活保護を受けるほど困窮してはいないのですが、働いていないので住宅を借りるのが難しいそうです。区民で住宅に困っている方は大変多いです。特に高齢者の方が多いと思います。
しかし、墨田区の住宅事業、例えば区営の住宅には倍率が高くて入れません。また、高齢者等住宅あっせん事業は、予算が94万5,000円です。高齢者等家賃等債務保証制度の予算は4万円です。これらの事業は、あまり区民のニーズに合っていないように思いますが、ご見解を伺います。
◎住宅課長(小板橋一之)
まず、高齢者等住宅あっせん事業でございますけれども、こちらは立退き等のために住宅に困っている高齢者等の方に対しまして、住宅をあっせんするという制度でございまして、今年度で言えば、申請件数は65件ございました。その中で、実際に成立したのは18件でございますけれども、私どもとしましては、宅建協会からあっせんを受けて、申請のあった方に対しては一定数の物件をお出しできているという状況にございます。
また、もう一つの高齢者等家賃等債務保証制度につきましては、保証人を見つけることができないために民間アパート等に入居することができない高齢者等の方に対する制度でございまして、実際には不動産屋さんの方でパッケージで保証をつけるというような制度もありますので、本当に困っている方から来る申請の成立の件数というのは、今年度、2件程度となっております。これは、そういったところで救われない方に対する最後の支援ということでございます。
◆委員(井上ノエミ)
次の質問ですが、229ページにすみだすまい安心ネットワーク事業があります。これは、国のセーフティネット住宅情報提供システム事業と関係していると思います。
インターネットで、この情報システムにある墨田区の住宅を見てみました。大体、家賃が9万円以上です。たとえ2万円の補助金をもらっても、年金生活者やアルバイトで生活する人には払えない金額で、とてもセーフティネット住宅とは言えません。東村山市の登録住宅を見ると、家賃が3万円ぐらいで、これなら本当にセーフティネットの住宅になります。
この制度では、バス、トイレ付きでなければいけないので、どうしても高くなります。墨田区にも安い住宅があると思います。古くても、お風呂がなくてもいい方もいるでしょう。家賃4万円程度のセーフティネット住宅を探して紹介する制度が必要だと思います。
墨田区の宅建協会とは連携しているとは思いますが、セーフティネット住宅を紹介する新しい制度を墨田区でも考える必要があると思いますが、ご見解を伺います。
◎住宅課長(小板橋一之)
まず、セーフティネット住宅の登録でございますが、こちらにつきましては、おっしゃるように、トイレ、浴室又はシャワー等を備えるということが条件になっておりますので、ある程度、規格のしっかりした住宅ということになってございます。
国の制度を活用しておりますので、別途、住宅を紹介するという仕組みをつくるということは難しいというふうに考えております。
ただ一方で、バス、トイレがないような住宅であれば、比較的安い価格、東村山市で3万円というのがありましたけれども、そこまで安いものは見つからないでしょうけれども、不動産業者のほうに相談していただければ、相対的に安い住宅も見つけられるというふうに思いますので、そこをご活用いただければというふうに考えてございます。
○委員長(田中邦友)
以上で、新しいすみだの質疑を終了いたします。