議事
(1)付託予算の審査
ア 議案第73号 令和5年度墨田区一般会計予算
イ 議案第74号 令和5年度墨田区国民健康保険特別会計予算
ウ 議案第75号 令和5年度墨田区介護保険特別会計予算
エ 議案第76号 令和5年度墨田区後期高齢者医療特別会計予算
以上4件を一括して議題に供した後、総括質疑を行った。
(2)動議
総括質疑終了後、議案第73号 令和5年度墨田区一般会計予算に対し、高柳東彦委員ほか1名から、編成替えを求める動議が提出され、本動議を議題に供し、提案者から説明を聴取し、質疑を行った。
質疑終了後、本日の会議を終了することとし、8日(水)午後2時から委員会を開会し、意見開陳及び採決を行うこととした。
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会議の概要は、次のとおりである。
午前10時00分開会
○委員長(加藤拓)
ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
早速議事に入ります。
付託議案の審査を行います。
議案第73号、議案第74号、議案第75号及び議案第76号の各会計予算、以上4議案を一括して議題に供します。
3日に引き続き、総括質疑を行います。
それでは、順次質疑を承ります。
◆委員(井上ノエミ)
今日もよろしくお願いします。
山本区長に、墨田区の事業への民間活力の導入について伺います。
墨田区では、総合体育館の事業をPFIで実施しました。2010年の開館ですから、10年以上が経っています。山本区長は、これまでの総合体育館の建設と運営を見て、PFIをどのように評価していますか、伺います。
また、トリフォニーホールの改修ではPFIが使えない結論ですが、その理由についてご説明ください。
◎区長(山本亨)
ご指摘のように、区では平成22年からPFI手法により総合体育館の運営を行っています。そこで、民間活力を生かしたサービス提供ということについては、利用満足度の調査結果や施設稼働率の高さなどから、一定の効果があるというふうに評価をしているところです。
トリフォニーホールにつきましては、昨年度の委員会で報告をさせていただいているとおり、極めて専門的な設備、これを有する施設の修繕等であることから、競争性が働かないことや、管理運営の効率化、総事業費の大幅な圧縮が見込めないこと等がPFIを導入しない主な理由と考えております。
◆委員(井上ノエミ)
次に、まちづくりに障害者や子どもの視点を入れることの必要性について伺います。
私の友人に、脳性麻痺の方がいます。この友人は、手の機能が不自由ですので、トイレに関してはウォシュレットしか使えません。したがって、外出したときにはウォシュレットのあるトイレを探します。
障害者の視点から見れば、公共トイレにウォシュレットを付けていただきたい。また、どこにウォシュレットのある公共トイレがあるか、地図があれば役に立つと思います。公共トイレにウォシュレットが付いていることを示すステッカーを作成して貼っておけば、大変親切だと思います。コンビニのトイレもありますが、お店に迷惑をかけたくない気持ちがあります。
トイレは一つの例ですが、ほかにも障害者の視点を入れる必要があると思いますが、ご見解を伺います。
◎福祉保健部長(関口芳正)
令和3年、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー法が改正され、公共交通事業者等に対するソフト基準の遵守義務の創設、国や地方公共団体、施設設置管理者の責務として、車両の優先席、車椅子使用者用駐車施設、障害者用トイレ等の適切な利用の推進が追加されました。
本区では、墨田区障害福祉総合計画により、安全・安心に暮らせるまちをつくることを基本目標の一つに掲げ、ユニバーサルデザインの考え方に基づくバリアフリーのまちづくりを推進しています。ご要望のありましたトイレを含め、障害者団体からのご意見・ご要望を踏まえながら公共施設等の改善・整備を順次行い、障害のある人が自由に行動できる環境づくりを進めていきます。
◆委員(井上ノエミ)
次に、まちづくりにおいて子どもの安全の視点を入れることについて伺います。
幼児がマンションのベランダや窓から転落して死亡する事故が時々起こっています。ベランダの柵は、建築基準法で1.1メートル以上と決められています。子どもの住まないワンルームマンションでは、これでいいと思います。家族で住むファミリーマンションでは、柵の形によっては子どもが足をかけて登れるので、もっと高いほうが望ましいと思います。
また、窓の手すりに関しては規定がないようです。子どもが住む住宅やマンションでは、転落事故を防止するために、ベランダの柵や窓の手すりに注意をするように、建築主に注意をしてもらいたいと思います。建築確認のときには、検査をしていただきたいと思います。
また、款別で伺った学校の交通安全対策のゾーン30プラスですが、早速、外手小学校の通学路にカーブミラーが設置されました。ゾーン30プラスの交通安全対策を、墨田区のほかの小学校にも広げていただきたいと思います。子どもたちの安全を守るために、やるべきことはしっかりとやっていただきたいと思いますが、ご見解を伺います。
◎建築指導課長(田口茂敏)
子どもの転落事故防止に関するご質問にお答えします。
委員ご指摘のとおり、建築基準法では、建物の用途や規模などに応じ、バルコニーに手すり等の設置を義務付けております。一方、窓に関しては設置が義務付けられておりません。
しかし、設計者からの相談や建築確認の際、安全上の観点から、設置義務のない部分についても手すり等の設置を促しております。具体的には、手すりの高さだけでなく、格子状の場合にはその間隔が適切であるか、子どもが足をかけて登る形状となっていないかなども確認しております。
建築確認や完了検査時において、転落事故防止に関するチェックや注意喚起を行っており、今後もその危険性や予防方法について啓発してまいります。
◎道路公園課長(松岡宏輔)
ゾーン30プラスのことについて、私のほうからご回答させていただきます。
今回の指定範囲の整備による効果検証を国土交通省や警視庁と連携して行い、ゾーン30プラスの有効性を確かめていきたいなというふうに考えているところでございます。
ゾーン30プラスの有効性が認められた場合には、他の地域の実情に応じた交通安全対策を検討していく中で、ゾーン30プラスの導入に向けて警察のほうと調整していきたいなというふうに考えているところでございます。
◆委員(井上ノエミ)
山本区長に、墨田区の産業振興について伺います。
墨田区は、これまでものづくりのまちでした。この伝統はしっかり守っていく必要があります。同時に、日本の産業構造が製造業からサービス産業に変わっていくのは、時代の流れです。
将来の20年、30年を考えると、墨田区のサービス産業の基礎をつくっていく必要があります。山本区長は、産業構造の変化に対してどのように対処していく考えか伺います。
◎区長(山本亨)
ご指摘のように、まず本区は江戸の時代からものづくりのまちとして栄え、明治以降も近代産業の発展を支えてきました。事業所数では、最盛期と比較して5分の1程度まで減少しているということですが、都内では大田区に次いで工場数が多く、現在でも高度に集積したものづくりのまちであるというふうに考えています。
一方、本区の事業所数、従業員数といった観点からは、サービス業が製造業を逆転しており、そうした点から、業態に限らず産業全般の支援の充実を図っているところです。具体的には、すみだビジネスサポートセンターにおいて、製造業をはじめ、サービス業を含めた幅広い業種を支援対象としているほか、再構築したすみだモダン事業においても、商品のみならずサービスについても認証の範囲にしているところです。
今後も区の産業構造の変化を的確に捉え、支援の充実を図っていきます。
◆委員(井上ノエミ)
次に、学校教育について区長のご所見を伺います。
山本区長は私立の学校のご出身ですが、今の日本の公教育についてどのように考えているのか伺います。そして、墨田区の小学校、中学校をどのようにしたいのか、区長のビジョンについて伺います。また、学校のDX化に関してご意見を伺います。
◎区長(山本亨)
公教育においては、学習指導要領に「生きる力 学びの、その先へ」と目標が掲げられており、学校教育を通じて豊かな人間性を身に付けさせ、生きる力を育むことを目指しています。私も公教育の在り方については全く同様に考えています。
このことから、私はすみだの子どもたちに、夢や希望を持ち、学校教育を通じてそれを実現してもらいたいと思っています。そのためには、墨田区ならではの、地域と連携し、学習指導要領にある豊かな人間性や学力を基礎に、生きる力を育成してもらいたいと考えています。
学校のDX化については、1人1台のタブレット端末の配備が完了し、グループ学習など、授業の様々な場面において活用されています。また、自動採点などにより、働き方改革も併せて推進しています。さらに、欠席連絡システム等を導入し、保護者や教員の負担軽減を図るとともに、健康観察システムによって不登校の兆しなどに早期対応などできるようしています。
今後も活用の場面が増えていくと考えておりまして、私としても様々な形で学校のDX化について支援をしていきたいと思います。
◆委員(井上ノエミ)
加藤教育長に伺います。
加藤教育長は3期目に入りましたが、これまで子どもたちの学力向上には多大なご貢献をいただきました。今後、学校教育のどの分野に力を入れていきたいのか伺います。
◎教育長(加藤裕之)
私は、まずグローバル化を視野に入れ、更なる学力の向上を目指し、子どもたちが夢や希望を持ち、将来の選択肢を広げて、自信を持って活動していってほしいと考えています。
また、学力向上と同時に、頑張る力、諦めないで困難に立ち向かう力、また心の落ち込みから立ち直ることができる心の弾力性、しなやかな対応力、他の人と協働する力等の力を育成するとともに、さらに不登校対策に力を入れていきます。
◆委員(井上ノエミ)
次に、区立幼稚園について山本区長に伺います。
区立幼稚園の入園児は大幅に減少しています。当然、その在り方については見直しが必要です。
私は、区立幼稚園をそれぞれの地域における子育て支援センター的な機能を持った組織にしてもらいたいと思います。墨田区の保健センターが1か所になり、母親が子育ての相談に行くのは大変不便になります。その意味で、各地域にある区立幼稚園は、地域にとって大事な施設になり得ると思います。
山本区長はこの問題についてどのように考えているのか伺います。
◎区長(山本亨)
区立幼稚園の在り方の見直しについて、ここ数年、幼稚園よりも保育園を選択されるという傾向等がありまして、確かに在籍者数が減少しているという状況であります。したがって、一定の見直しが必要であるというふうに考えています。
効率的な施設運営はもとより、充実した教育には一定数の集団の維持が必要でありますので、定員充足率の視点での適正配置の考え方は引き続き維持していきますが、一方で、公立園には公立園ならではの教育の魅力と、幼児受入れ人数における私立幼稚園との補完関係という重要な役割があります。
子育て支援センター的機能についてのご提案ですが、幼稚園教諭は、一定の資格に裏付けられた幼児教育のプロとして、現在でも在籍の有無にかかわらず、地域の方々からの子育て相談に対応しているところです。地域コミュニティを支える一端として、引き続き積極的に対応していきたいと考えています。
◆委員(井上ノエミ)
最後に、学校のスクールカウンセラーについて山本区長に伺います。
現在のスクールカウンセラーは非常勤です。しかし、相談件数は大変増えています。令和3年には、小学校の相談件数は2万4,370件、中学では9,276件の相談があります。小学校では48人のスクールカウンセラー1人当たり500件、中学では20人のカウンセラー1人当たり460件です。これだけ相談件数が多いと、十分な対応ができるとは思いません。
スクールカウンセラーの数だけを増やしても、いじめや不登校がなくなると思いません。しかし、よいカウンセラーをもっと増やす必要はあると思います。予算の拡充が必要と思いますが、山本区長、ご見解を伺います。
◎区長(山本亨)
現在でも、スクールカウンセラーを配置して週1回、相談件数が多い学校には週3回増加して相談業務に当たっておりますので、ここはしっかり予算を確保して、引き続き対応していきたいというふうに考えております。
○委員長(加藤拓)
以上で新しいすみだの質疑を終了いたします。
議事の都合により、暫時休憩いたします。
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午前11時08分休憩
午前11時20分再開