◆8番(井上ノエミ君) 新しいすみだの井上ノエミです。山本区長、加藤教育長、よろしくお願いいたします。
まず、墨田区の行財政改革の実施について、山本区長にお伺いします。
この問題については、これまでも何回かお伺いしていますが、区政において大変重要な課題ですので、本日もお伺いします。
行財政改革で最近注目をされているのが、兵庫県の明石市の取組です。明石市は、人口が29万人ですから、墨田区とほとんど同じぐらいの規模の自治体です。明石市の泉市長は「子どもを核としたまちづくり」をスローガンに、子どもの支援策を充実しました。保育所の定員を1,000名増やし、待機児童を解消しました。2人目の子どもからは保育料を無料にしました。また、小学校の1年生の30人学級を実現しました。その予算に全部で23億円掛かりましたが、人件費の削減や無駄な事業をなくして、予算を確保しています。子育て支援が充実した結果、子育て世代の人口が増えて、地価も上がり、税収が増えたそうです。
この明石市の子ども重視の考え方は、子育て支援を重視する山本区長のお考えとほとんど同じだと思います。山本区長も子育て支援をもっと充実したいお考えをお持ちだと思います。それ以外にもいろいろアイデアをお持ちだと思います。しかし、政策を実現するためにはお金が必要です。そのためには、明石市が行ったような徹底的な行財政改革が墨田区でも必要だと思います。
墨田区の経常収支比率は、平成28年度で83.7%です。目標である平成32年の85%は既に達成しています。しかし、新しい事業の予算を確保するために、この目標を80%に設定し直して、更に改革を進めるべきと思いますが、山本区長のご見解を伺います。
また、明石市でも、予算の確保のために人件費の削減に取り組みました。事務の効率化を図り、職員定数を削減し、スリムな区役所にすることが必要だと思います。墨田区では、業務改善推進プロジェクトを実施していますが、その進捗状況と結果について山本区長にお伺いします。また、今年度は職員を大量に採用しましたが、来年度の職員の採用計画についてもお伺いします。
次に、大規模水害の対策について、伺います。
今年の3月30日に東京都の港湾局と建設局から、「想定し得る最大規模の高潮による浸水想定区域図」が公表されました。これは日本に来たこれまで最大の台風である昭和9年の室戸台風が来た場合を想定しています。その確率は1,000年から5,000年に1回です。めったに来ることはありませんが、災害対策の基本は常に最悪を予想しておくことです。想定外だったとか予想していなかったという言葉がいかに大きな被害をもたらしたかは、東日本大震災で証明されています。この高潮の浸水想定区域図を見ると、墨田区と江東区の被害が一番大きいようです。
そこで山本区長に伺いますが、墨田区では5メートル以上の浸水地域はかなり大きいようです。この浸水地域の面積と、そこに住む区民の数はどの程度になるか伺います。また、避難を必要とする区は何メートル程度の浸水地域になるのか、その人口はどのくらいか伺います。また、実際に大量の区民を避難させることが可能なのか、どこに避難させるのか、交通手段はあるのかについてもお伺いします。
また、万が一のことでありますが、区民に広域避難の必要性を認識してもらう必要があります。墨田区として、どのように区民に理解してもらうのか、山本区長にお伺いします。また、広域避難することのできない区民のための緊急避難場所を確保しておくことが重要だと思います。これまで、まちづくりではあまり水害対策は考えていないと思います。浸水地域にあり、緊急避難先となる建物は、容積率を緩和して、水害のときは避難所として使うことも考えていいと思います。また、住宅でも2階建てだと浸水するが、3階建てならそこに避難することが可能ですから、政策的に高い建物をつくるように考えることも大事だと思いますが、山本区長のご見解を伺います。
次に、肢体不自由児者のためのグループホームの建設について山本区長に伺います。
前回、この問題について山本区長にお伺いしましたが、平成32年度の開設を目指すとのご答弁でした。知的障害者向けの施設は32年度には設立の見込みですが、肢体不自由児者用の施設はなかなか用地の確保ができないようです。なるべく早く、できれば本所地域に用地を確保して、32年度中に開設していただきたいと思いますが、山本区長のご見解をお伺いします。
また、障害者のヘルパーの医療行為ですが、たんの吸引を是非外出のときに認めてもらいたいという要望があります。障害者の方が外出することはとても大変です。墨田区でも移動支援事業を実施しており、利用者の方には大変好評です。しかし、外出のときにたんの吸引などの医療行為が必要になります。認めている区もあるようですので、是非検討していただきたいと思いますが、山本区長のご見解を伺います。
次に、学童クラブの待機児童対策について、山本区長と加藤教育長にお伺いします。
両国地域の区民から、立川児童館両国分室の待機児童が大変多く、何とかしてもらいたいという要望があります。子育て政策課からの情報では、定数25名に対して20名の待機児童がいます。これだけ多くの待機児童がいることに大変驚きました。待機児童は立川児童館まで歩いていくことになるのですが、30分程度掛かり、小学校低学年では交通事故の可能性もあります。墨田区では人口が増えていますから、待機児童は今後も増えると思います。早急に対策を考える必要があると思います。
そこで山本区長にお伺いしますが、現在、墨田区には学童クラブの待機児童は何人いるのでしょうか。その対策についてどのように考えていますか。また、正式な学童クラブでなくても、週に3日間でも子どもの居場所をつくることを検討していただきたいと思います。例えば、区の集会施設や空き店舗を利用することも考えられると思いますが、山本区長のご見解をお伺いします。
次に、加藤教育長にお伺いしますが、緑小学校では放課後活動である「みどりっ子クラブ」を行っています。小学校を利用して子どもの居場所をつくることも是非検討していただきたいと思いますが、ご見解をお伺いします。
次に、墨田区の学校での電子メールの利用状況について、加藤教育長にお伺いします。
墨田区では、平成18年から保護者への緊急情報の連絡メールとして、学校連絡情報メールを導入しています。これは保護者が自分で登録しなければならないシステムですが、緊急連絡メールですので、ほとんどの保護者に登録してもらいたいと思います。現在、大体何%程度の保護者が登録しているのかお伺いします。また、実際にこのメールの使用状況ですが、年間何回程度のメールが発信されているのか伺います。
墨田区では、このシステムを10年間使っていますが、一度評価する必要もあると思います。教育委員会として、現在このシステムをどのように評価しているのか伺います。また、最近は各学校でもメールの連絡網をつくって、メールで保護者に連絡をとっていると思いますので、大変よいと思います。ただ、私が校長先生に連絡をとりたいと思っても、メールを使用されていない先生もいらっしゃるようです。是非先生方にもメール利用を広めていただきたいと思いますが、加藤教育長のご見解を伺います。
次に、インバウンドの観光対策について、山本区長に伺います。
日本に来る外国人観光客の不満の一つに、「日本では夜あまりやることがない」という苦情があります。確かに日本では、夜は飲食店以外は外国人観光客が行く場所はあまりありません。東南アジアの国では、昼間は大変暑いので、夜に屋台や店が開いて、多くの人が集まるナイトバザールが都市の各地にあります。日本も、夏は東南アジア並みに暑いですから、ナイトバザールを開くことを検討するべきと思います。例えば、現在やっているマルシェを夏は昼間ではなく夜に開くこともいいと思います。また、両国でもナイトバザールをやれば、東京中から多くの人が集まると思います。また、盆踊りは大変魅力的な夏の夜のイベントですから、もっと観光資源として利用するべきと思います。是非、夜のイベントを考えていただきたいと思いますが、山本区長のご見解を伺います。
次に、目黒区で5歳の女の子が児童虐待で亡くなるという悲惨な事件がありましたが、この件に関連して山本区長にお伺いします。
この事件は、品川児童相談所が適切な対応をとらなかったために起こってしまったわけです。これまでも、児童相談所が対応できないために、虐待により子どもが亡くなる事件はたびたび起こっています。東京の児童相談所の体制を強化するためには、墨田区でも児童相談所を早期に設立していただきたいと思います。
また、今回の事件から学ぶ幾つかの教訓があります。例えば、親が子どもを虐待しているケースでは、特に今回のようにひどい場合では、親の親権を停止して子どもを保護する必要があります。そのためには、児童相談所は家庭裁判所に申立てをする必要があります。実際には、全国でこの申立ての件数は、平成27年度でわずか29件しかありません。親権という重要な権利を制限するわけですから、家庭裁判所も慎重に審議するので、その法律手続には弁護士がいないと大変難しいです。
しかし、全国でもわずかの児童相談所にしか常勤弁護士がいません。今、弁護士は余っている状態ですから、墨田区でも是非常勤の弁護士を配置することを検討していただきたい。また、虐待の子どもを一時保護するための一時保護施設が不足しています。また、一部の施設では、子どもがいじめを受けたりするなどの問題も指摘されています。施設ではなく、一般の家庭に子どもを預けるための里親制度をもっと普及する必要があります。また、児童相談所と警察との情報共有も重要です。児童相談所に現職の警察官又は警察官OBを常勤させて警察との連携を図り、虐待を事件として親を逮捕することで、今回のような事件を未然に防ぐことができます。是非、今回の事件の教訓を生かして、墨田区ではこのような事件が起こらないような体制をつくっていただきたいと思いますが、山本区長のご見解を伺います。
私の質問は以上です。