9月10日 定例会議会

◆11番(井上ノエミ) 新しいすみだの井上ノエミです。
 山本区長、西塚部長、加藤教育長、よろしくお願いします。
 質問が一部重複しますが、よろしくご答弁をお願いいたします。
 まず、新型コロナウイルス感染症に関連して、山本区長に伺います。
 先日、夜の7時半頃、両国の第一ホテルの前を通りました。若い墨田区の職員の方々が「ワクチン接種会場」とある案内板を持ってホテルの前に立っていました。昼間は働いている社会人のために、夜間にワクチン接種を実施するのは大変よいアイデアです。そのために、現場の職員の皆さんも頑張って働いています。
 今回、ワクチン接種について、墨田区はすばらしい成果を出し、その結果、重症者も大変少ないのは、区長の強力なリーダーシップはもちろんですが、第一線の職員の皆様のご尽力のおかげだと思います。区長をはじめ、未曽有の事態に一丸となって対処してきた職員の皆様に心から感謝いたします。
 先日、菅総理が墨田区を訪問した際には、墨田区の経験を全国に横展開したいと述べたそうです。墨田区は、ワクチン接種以外にもPCR検査の拡大、医師会との連携、妊婦に対する対応など様々な対策を実施しています。日本のほかの自治体が墨田区の経験から学ぶことは大変多いです。
 マスコミでは、これまで度々報道されていますが、ホームページで墨田区モデルを体系的に発信するなど、山本区長には日本全国に対して積極的に発信して、多くの命を救う手助けになっていただきたいと思います。
 本来、ワクチン接種を広げれば、集団免疫により感染拡大を防ぐことができると思われました。しかし、変異株が出現して、感染はまだ広がっています。コロナウイルスの収束には、しばらくの時間が掛かると思います。危機管理で重要なことは、常に最悪の事態を想定することです。
 そこで、コロナウイルスと共存する新しい区政を実現する必要があると思います。人の流れを減らすこと、ソーシャルディスタンスを保つ原則を区庁舎やその他の施設でも更に徹底する必要があると思います。オンラインでの手続やオンラインでの相談、会議のオンライン化、区民を訪問する代わりにスマートフォンのビデオ通話を使うなど、やるべきことは多くあると思います。山本区長は、ウィズコロナの時代における区政についてどのように考えているのか、伺います。
 次に、来年度の予算編成について伺います。
 今、区内の中小企業や飲食店は、大変厳しい状況です。多くの従業員やアルバイトの方々は、仕事をなくしています。戦後未曽有の経済的な危機で、多くの区民が経済的に大変厳しい状況です。墨田区の財政状況は大変厳しいので、私はこれまで行財政改革の徹底的な実施を訴えてきました。もちろん行政改革は、このような状況であっても徹底的に実施していく必要があります。コロナ対策で人を増やす必要があるかもしれませんが、正規職員を区外から採用するのではなく、仕事をなくした区民を臨時に雇用することを検討していただきたいと思います。
 財政改革については、来年度の予算に関しては諦めざるを得ないと思います。飲食店を含む中小企業に対する支援、失業した家庭、ひとり親家庭などの経済的な弱者に対する支援を大幅に拡大すべきと思います。多くの区民が困っている状況ですから、墨田区民の共助の精神で助けることが必要と思います。また、中小企業の区民の雇用につながる公共事業については、前倒しして実施することも検討する必要があると思いますが、来年度の予算編成について山本区長のご見解を伺います。
 次に、質問が重複しますが、新型コロナウイルスの変異株と今後のワクチン接種について西塚保健衛生担当部長にお伺いします。
 まず、今回の感染症対策では、公衆衛生の専門家である西塚部長の知識とご経験により墨田区に大変大きな貢献をいただいたことを心から感謝申し上げます。多くの区民の命を助けていただき本当にありがとうございます。
 今回、ワクチン接種が早く実施されて、重症者は大変少ない状況です。ただ、時間が経つとワクチンの免疫効果が下がることについてアメリカで報告されています。また、日本でも藤田医科大学がファイザー製のワクチンを受けた人の抗体が70日間で約4分の1に減少していたとの調査結果を発表しています。
 墨田区では、特に高齢者が早くワクチンを受けていますので、早く抗体がなくなるのではと心配です。ワクチン接種率が78%のイスラエルでは、ワクチンを受けた人が感染するブレイクスルー感染が起きて3回目の接種を始めています。韓国でも3回目を始めるようです。日本では、河野大臣が来年1月からの高齢者のブースター接種について言及しています。
 ブレイクスルー感染は、変異株とも関係しているようですが、墨田区における変異株の状況と今後の3回目のワクチン接種について、現時点でどのように考えているのか、伺います。
 次に、新型コロナウイルス感染症の子どもの治療について西塚部長に伺います。
 夏休みが終わって学校が始まりましたから、今後、子どもの感染が増える可能性が高いと思います。また、子どもからの家庭内感染も増えるでしょう。そのため、学校での感染対策を徹底的に行う必要があります。感染対策については、保育園で幼児に対して実施するのは難しいと思います。保育園でのクラスターの発生は、避けられないように思います。
 そこで伺いますが、感染した子どもの治療は基本的に自宅療養になると思いますが、その場合には、区内の小児科医との連携はどのようになるのでしょうか。また、幼児の患者が増えた場合には、どのように対応しているのか、伺います。
 最後に、加藤教育長にすみだオンライン授業システムについてお伺いします。
 今回、教育委員会がオンライン授業システムを準備したのは、大変よかったと思います。学校での子どもの感染や家庭内感染を防ぐためには、オンライン授業は大変大事だと思います。今回のオンライン授業では、出席できない生徒だけを対象として個別のオンライン授業を想定しています。この方針は画期的であり、すばらしい試みだと評価します。今後は、不登校の児童・生徒にも是非対象を広げていただきたいと思います。
 ただ、実施において先生方の負担が増えるのではないかと心配します。教育委員会がコンテンツを準備するなど、先生方の負担を軽減する支援が必要と考えますが、加藤教育長のご見解を伺います。
 私の質問は以上です。ご清聴ありがとうございます。

◎区長(山本亨) ただいまの新しいすみだ、井上議員の私へのご質問にお答えします。
 第1は、新型コロナウイルスと共存する新しい区政の実現についてです。
 区のコロナ対策の取組として、ワクチン接種では全庁応援体制を組み、集団接種会場の準備や運営に当たるとともに、医師会との連携による接種や医療提供体制の整備、広報対応等、先手を打った施策を展開してきました。引き続き、ワクチン接種の促進に努めるとともに、施設の感染対策として、3密回避やソーシャルディスタンスの徹底を図り、コロナ後の経済・社会活動の再始動に向け、準備を進めています。
 一方、給付金の手続に時間が掛かるなど、全国的に行政サービスのデジタル化の遅れが浮き彫りになりました。区でもオンライン申請やキャッシュレス決済の拡充等に取り組んでいるほか、タウンミーティングや説明会、関係者との会議をオンラインで実施していますが、利用しやすい行政サービスの提供を目指し、教育、産業、福祉など様々な場面で更なるデジタル化に取り組む必要があると考えています。
 そこで、行政情報化推進計画において、区のデジタル化の方向性として、ICTやデータを活用し、区民の利便性の向上と業務改善の徹底を掲げ、SNSを活用した情報発信の強化やオンライン手続の拡充等に取り組み、区民がデジタル化の恩恵を享受できる環境を整備し、ポストコロナ時代の区政を運営していきます。
 第2は、令和4年度の予算編成についてです。
 区ではこれまでも商工業融資の制度拡充や商店の新生活様式への対応支援、ひとり親家庭や低所得の子育て世帯に対する生活支援、生活困窮者に対する自立支援、GIGAスクール構想の推進など、国や都の補助金を最大限活用し、緊急議会等での補正予算もお願いしながら、スピード感を持って取り組んできました。
 令和4年度の予算編成においては、感染症の影響により景気動向は依然として不透明なことから、本区の歳入環境も予断を許さない状況にあり、既存事業の徹底した見直しや再構築、これまで以上の創意工夫による事業執行の効率化等により、歳出額の圧縮を図る必要があります。
 このような中で、感染症対策や様々な行政課題への対応、基本計画の後期4年間の初年度であることから、すみだの未来を見据えた新しい日常にふさわしい施策に優先的に財源を振り向けていく必要があると考えています。区民の雇用創出につながる事業など、区民生活や地域経済を支援するための必要な施策については、国・都の動向も注意しながら、引き続き適時適切に対応していきます。
 以上で、新しいすみだ、井上議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。